データウェアハウスとは?主要機能やシステムの失敗しない選び方

データウェアハウスとは?主要機能やシステムの失敗しない選び方

膨大なデータベースを保有しているが、データの保管や活用方法に悩んでいる方もいるかと思います。そこで効果的なのが「データウェアハウス」の利用です。本記事では、データウェアハウスの概要や機能をはじめ、導入のメリットや選び方、おすすめのシステムまで詳しくご解説します。

なお、データベースを活かしたシステム開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

【無料】データベースを活かしたシステム開発会社を紹介してもらう

目次
  1. 1. データウェアハウスとは
    1. 1-1. データベースとの違い
    2. 1-2. データマートやBIとの違い
  2. 2. データウェアハウスの主要機能
    1. 2-1. データを項目ごとに整理する
    2. 2-2. データを統合し最適化する
    3. 2-3. データの時系列を整理する
    4. 2-4. データを長期的に保管する
  3. 3. データウェアハウスを導入するメリット
    1. 3-1. 古いデータも残せる
    2. 3-2. データの収集から分析までを円滑にできる
  4. 4. データウェアハウスシステムの失敗しない選び方
    1. 4-1. クラウド型かオンプレミス型か
    2. 4-2. データの処理速度が速いか
    3. 4-3. データ容量を拡張できるか
    4. 4-4. 外部ツールと連携できるか
  5. 5. データウェアハウスのシステム3選
    1. 5-1.  Amazon Redshift
    2. 5-2.  Azure Synapse Analytics
    3. 5-3. AnalyticMart
  6. 6. 【まとめ】データウェハウアウスを活用して業務の効率や質を向上させよう

データウェアハウスとは

データウェアハウス(DWH)とは、企業が運営しているシステムのデータを目的別・時系列に保管するデータベースのこと。企業は会計や在庫、顧客情報などさまざまな情報を保有しています。

それぞれのデータを別で保管するのでなく、データウェアハウスという1つの場所に統合することで分析がしやすくなり、業務の効率・精度向上につながります。

データベースとの違い

データウェアハウスとデータベースとの違いは「分析に特化しているか」です。一般的なデータベースは「データの格納」のみを行いますが、データウェアハウスは高い検索機能・分析機能を有します。データをカテゴリーに分け、統合的に分析を行えるのが特徴です。

データマートやBIとの違い

データウェアハウスと混同しやすいものに「データマート」や「BI」といった用語もあります。それぞれとデータウェアハウスとの違いは以下のとおりです。

データマート

データを「利用部門」「用途」「目的」に応じて管理・分析するもの。

データウェアハウスよりも分析範囲が狭い。

BI

「ビジネスインテリジェンス」という概念。

データの収集や分析ができる「BIツール」が用いられる。

 データマートの方が分析範囲が狭いのが特徴。BIは企業がデータを収集・分析する概念を指します。広義ではデータウェアハウスと似ており、BIツールとの相性がよいのが特徴です。 

【無料】データベースを活かしたシステム開発会社を紹介してもらう

データウェアハウスの主要機能

データウェアハウスの主要機能

続いて、データウェアハウスの主要機能をみていきましょう。

データを項目ごとに整理する

データウェアハウスでは、「顧客」「会計」「商品」など、データを項目別に整理できます。1項目が大きなデータ集団となり、他の項目と統合することで大規模なデータ分析が可能となります。

データを統合し最適化する

データウェアハウスでは、色々なアプリケーションから情報収集を行いますが、情報によって保存の内容・形式は異なります。そうした保存の差異を解消し、データを統合するのです。具体的には、表現を揃えたり重複を削除したりします。

データの時系列を整理する

データウェアハウスでは、現在だけでなく過去のデータも蓄積します。一般的なデータベースでは最新の情報を重視しますが、データウェアハウスでは、「時系列」でデータを保存。たとえば、1人の顧客が会員になってから商品の初購入、現在に至るまでといった流れでデータを保管します。

データを長期的に保管する

データを消去せず、長期的に保管し続けられるのもデータウェアハウスの特徴です。一度保存したデータは、基本的に削除できません。ただし容量にも上限があるため、一定のラインを越えたら削除される場合もあります。

【無料】データベースを活かしたシステム開発会社を紹介してもらう

データウェアハウスを導入するメリット

データウェアハウスを導入するメリット

続いて、企業がデータウェアハウスを導入するメリットをご紹介します。

古いデータも残せる

データウェアハウスでは、データの時系列での保管が基本です。したがって勝手に古いデータが消えたり、欠損したりする心配はありません。過去のデータを蓄積することで、現在や未来の分析に活かせるでしょう。

データの収集から分析までを円滑にできる

データウェアハウスでは、古いデータから最新のデータまで膨大なデータを保管できます。さまざまなデータソースから迅速に情報を収集し、項目ごとに分類。表現の統一や重複の削除なども行うため、本当に必要なデータを抽出して分析できるのです。

【無料】データベースを活かしたシステム開発会社を紹介してもらう

データウェアハウスシステムの失敗しない選び方

データウェアハウスシステムの失敗しない選び方

データウェアハウスの運営を行うにあたってシステム導入を検討している企業も多いはず。ここでは、データウェアハウスシステムの失敗しない選び方をご紹介します。

クラウド型かオンプレミス型か

データウェアハウスは、「クラウド型」または「オンプレミス型」の、サーバー形態によっても異なります。

クラウド型は、サーバーの保守運用をベンダーが行う形態です。インターネット経由でシステムを利用します。コストが低くシステムのアップデートなどもベンダーが行うのが特徴です。

一方のオンプレミス型は、サーバーなどインフラ環境を自社で構築するため、オフライン環境でも利用できます。カスタマイズ性やセキュリティ性が高いのが特徴です。

データの処理速度が速いか

データウェアハウスでは膨大なデータを扱うため、データの処理速度が重要となります。なかでもETL(データの抽出・変換・読み込み)の速度がポイントです。システムの公式ページに記載されている速度をチェックしておきましょう。

データ容量を拡張できるか

データウェアハウスのデータは消去されずに蓄積され続けます。経年や事業拡大によってデータ量は増え続けるため、必要に応じてデータ容量を拡張できるかもポイント。データの拡張性でいえば、オンプレミス型よりもクラウド型がおすすめです。

外部ツールと連携できるか

データウェアハウスでは、さまざまなシステムやアプリケーションからデータを収集します。その際、外部ツールと連携していればデータの収集・分析が円滑になるでしょう。

たとえばSFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)、MA(マーケティングオートメーション)など。もし何か既存システムを使っている場合は、連携可能かどうか確認しておきましょう。

データウェアハウスのシステム3選

それでは最後に、データウェアハウスのおすすめシステムをご紹介します。まずは各システムの比較表をご覧ください。

システム名

特徴

料金

Amazon Redshift

ビッグデータから収集、分析、管理が可能

全てのデータに対して数秒で分析が可能

1時間0.25ドル〜

※税込価格は

要問い合わせ

Azure Synapse 

Analytics

収集されたデータはETLで処理・集約

ビッグデータ分析、機械学習なども実行可能

要問い合わせ

AnalyticMart

データ収集・分析のハブとして機能

1億件のデータを3秒で処理

サブスクリプション型

ライセンス型

※詳しい金額は

要問い合わせ

 Amazon Redshift

 Amazon Redshift

画像引用:Amazon Redshift

Amazon Redshiftのおすすめポイント

  • ビッグデータから収集、分析、管理ができる
  • 全てのデータに対して数秒で分析できる
  • SQLにも対応している

Amazon Redshiftは、Amazonが保有するデータベースストレージ「AWS」が運営するデータウェアハウスです。AWSが保有するビッグデータから収集、分析、移動、管理までデータに関するさまざまな作業ができます。全てのデータに対して数秒で分析が可能です。

SQL (データベースにアクセスできるプログラミング言語)にも対応しており、単純なコマンドを打つことでデータ処理ができます。プログラミング知識の少ない方でも問題なく使えるでしょう。

Amazon Redshiftの概要・価格感

運営会社

Amazon社

無料

トライアル

あり(90日間)

※同システム未利用者は300ドル分のクレジットが付与される

価格感

1時間0.25ドル〜

※税込価格は要問い合わせ

 Azure Synapse Analytics

 Azure Synapse Analytics

画像引用:Azure Synapse Analytics

Azure Synapse Analyticsのおすすめポイント

  • 収集されたデータはETLで処理・集約される
  • 基本機能からビッグデータ分析、機械学習まで可能
  • 多数のプログラミング言語にも対応している

Azure Synapse Analyticsは、Microsoft社が提供するデータ分析システムです。収集されたデータはETL(抽出・変換・加工・書き出し)で処理され、すべて同システムに集約。データウェアハウスの基本機能をはじめビッグデータ分析、機械学習までさまざまなタスクを実行できます。PythonやT-SQL、Scalaなど使用できるプログラミング言語も豊富です。

Azure Synapse Analyticsの概要・価格感

運営会社

Microsoft社

無料

トライアル

あり(12ヶ月間)

価格感

要問い合わせ

AnalyticMart

AnalyticMart

画像引用:AnalyticMart

AnalyticMartのおすすめポイント

  • 企業のさまざまなデータ収集・分析するハブとして機能する
  • 1億件のデータを3秒で処理できる
  • 予算や目的にあった料金体系を選べる

AnalyticMartは、三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社が運営するクラウド・プラットフォームです。製造や販売データ、顧客データ、システムログなど企業における各種データを分析する基盤を担っています。

高速データベースエンジンを採用しており、1億件のデータを3秒で処理可能です。また、サブスクリプション型からデータ規模に応じたライセンス型まで、予算や目的にあった料金体系を選択できます。

AnalyticMartの概要・価格感

運営会社

三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社

無料

トライアル

要問い合わせ

価格感

サブスクリプション型の年額ライセンス

データ規模に応じたライセンス

※詳しい金額は要問い合わせ

【まとめ】データウェハウアウスを活用して業務の効率や質を向上させよう

データウェアハウスは、データベースとは異なり「分析」や「過去のデータ保管」に強いです。データを時系列ごとに把握することで顧客の行動パターンを読めるなど、事業分析にも大いに役立てられるでしょう。システム導入の際は、データの処理速度や容量、外部ツールとの連携などを確認することが大切です。

なお、データベースを活かしたシステム開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

【無料】データベースを活かしたシステム開発会社を紹介してもらう