AI開発にGPUが使われる理由とは?CPUとの違いや選び方を紹介

GPUを使ってAI開発を行いたいが、そもそもなぜGPUが必要なのか、GPUの選び方がわからないといった悩みをもっている方もいるかと思います。

そこで本記事では、AI開発でGPUが必要な理由について解説します。CPUとの違いやGPUのメリット、デメリット、GPUの選び方までお伝えします。

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目次
  1. 1. AI開発にGPUが使われる理由
    1. 1-1. NVIDIAのGPUが注目されている
  2. 2. GPUとは?
    1. 2-1. GPUとCPUの違い
  3. 3. GPUの種類
    1. 3-1. グラフィックボード
    2. 3-2. 内蔵GPU
    3. 3-3. クラウドGPU
  4. 4. AI開発におけるGPUの選び方
    1. 4-1. コスト
    2. 4-2. コアの数
    3. 4-3. メモリの容量・帯域
    4. 4-4. 発熱・冷却の処理性能
    5. 4-5. 消費電力
  5. 5. 【まとめ】AI開発でGPUが必要な理由や選び方を紹介しました

AI開発にGPUが使われる理由

AI開発にGPUが用いられる最大の理由は、並列計算能力の高さです。並列計算とは、コンピューターの計算において、細分化された処理を複数のプロセッサ上で実行することで、特に大規模な行列演算を行うディープラーニングでは、この能力が非常に重要です。AI開発では膨大な演算処理をスピーディーに行う必要があります。

一般的にディープラーニングでは、データ入力を行う入力層と、データ出力を行う出力層との間にある「中間層(データの抽出を行う)」の数が多いほど、複雑な処理を実行できるようになります。そのためAI開発では、中間層の処理をはじめとする高い計算能力をもつGPUが用いられているのです。

NVIDIAのGPUが注目されている

NVIDIAは、GPUをはじめとする半導体製品の世界大手メーカーです。1993年に創業以来、3DCGを高速処理できるGPUを提供しています。PC・ゲームなどの民生機器から自動運転、医療などさまざまな分野でのGPUの活用実績があります。

2021年第4半期のPC向けGPU市場に関する調査では、NVIDIAは世界における81%のGPUシェアを獲得しました。

他にもNVDIAはGPUの開発だけでなく、データ分析や機械学習、ディープラーニング、対話型AIなどAI関連サービスを多数提供しています。

参考:PC Watch|2021年第4四半期のPC向けGPU出荷台数は前年比15%減。シェアは横ばい
関連記事:AI開発でNVIDIAが注目される理由|製品を活用した取り組み事例も解説【2024年最新版】

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GPUとは?

GPUは「Graphics Processing Unit」の頭文字をとった略語で、コンピューターにおける部品の1つです。もともとは「画像処理」に特化した部品の1つでしたが、並列計算能力の高さから画像処理以外の分野でも活用されています。

GPUとCPUの違い

GPUに似た部品としてあげられるのが「CPU」です。CPUとは「Central Processing Unit」の略語で、コンピューターの中央演算処理装置を指します。ソフトウェアや周辺装置から送られてくる指示の処理やメモリの制御を行うため、コンピューターの頭脳とも呼ばれます。

GPUとCPUの大きな違いは、処理対象や処理のスピードです。CPUは幅広い汎用的な処理を行うのに対し、GPUは画像処理をはじめ特定分野の計算に特化しています。またCPUは個別タスクの連続処理に向いていますが、GPUは複数タスクを同時に処理可能です。

処理スピードは計算方法によって異なります。並列計算であればGPU、個別の計算タスクはCPUの方が優れています。GPUは並列計算に優れていることから、膨大な計算を同時に行うスーパーコンピューターにも多く搭載されています。

GPUの種類

GPUの種類

AI開発に多く用いられるGPUですが、大きく3種類に分類できます。それぞれの特徴を押さえておきましょう。

グラフィックボード

グラフィックボードはGPUを含んだ物理的な基盤です。モニターの画面表示に多く用いられています。CPUから送られてきた指示をもとに画像や動画の描写を行います。搭載するGPUによりますが、グラフィックボードは処理能力が高い傾向にあります。一方で、発熱量や消費電力が高いのが難点です。

内蔵GPU

内蔵GPUは、最初からコンピューターに内蔵されているGPUを指します。コストが安い、発熱量や消費電力が少ないのがメリットです。

その一方で外付けのGPUと比べると性能は落ちる、グラフィックス処理の要求が高いアプリケーションには向いていないことが多い、などのデメリットがあります。

クラウドGPU

クラウドGPUは、文字どおりクラウド上で利用できるGPUを指します。ベンターが提供しているため、自社でサーバーを設置・管理する必要がありません。初期費用・運営費用を大幅に抑えられるのがメリットです。インターネットに接続できれば場所を問わず利用できるため、リモート環境にも適したGPUといえます。

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AI開発におけるGPUの選び方

AI開発におけるGPUの選び方

AI開発を進めるにあたって、何を基準にGPUを選ぶべきか悩む方もいるかと思います。ここでは最後に、AI開発におけるGPUの選び方をご紹介します。

コスト

GPU利用にあたってのコストを考慮する必要があります。想定すべきコストは以下のとおりです。

  • GPU自体の導入コスト
  • サーバー設置のコスト
  • GPU利用で使う電力コスト
  • メンテナンスにかかるコスト

特にオンプレミス型のGPUでは、サーバー設置や消費電力、GPUそのものをメンテナンスするコストがネックになります。短期的なコストパフォーマンスではクラウド型のGPUが優れているでしょう。

しかしクラウド型のGPUは、月額費用が発生し続けるので、長期的に使うとクラウド型の方がコストが高くなる可能性があります。他にもベンダーがサービス提供を終了する可能性も考慮に入れる必要があるでしょう。

このように長期的に考えると、コスト面やリスク面でデメリットが出てくる場合があるので注意が必要です。

コアの数

コアとは、演算処理の能力にかかわる中核的なパーツのことです。一般的にコア数が多いほどデータの処理能力が高くなります。コアには、一般的な計算を行う「CUDAコア」と、機械学習の性能向上に優れた「Tensorコア」などがあります。コア数が多いことも大切ですが、AI開発においては両者のバランスが重要です。

メモリの容量・帯域

メモリの容量や帯域も、GPUの処理能力に大きな影響を与える要素です。メモリ容量が足りないと膨大なデータを保持できず、GPUの性能が大幅に低下してしまいます。グラフィックボードを例にあげると、一般的にメモリ容量は2〜24GB程度です。メモリ帯域は処理スピードに影響を与え、帯域が広いほど処理が速くなります。

発熱・冷却の処理性能

GPUでは膨大な処理によって機器が発熱するため、冷却機能が必要です。発熱した際、すぐに冷却処理を行わないとGPU自体の性能が低下し、場合によっては機器が停止してしまう可能性もあります。

たとえばグラフィックボードの場合、外排気や内排気の冷却ファンのスペックが重要です。発熱を効率よく処理できる冷却システムが備わっているか確認しましょう。

消費電力

GPUで大規模な処理を行うと電力が必要になるため、GPU自体の電力効率が重要です。また、電力を安定的に供給できるかどうかも開発進捗に関わります。AI開発を効率的に行うためにも、電源や電源ユニット、補助電源のコネクタ確保などを検討しましょう。

【まとめ】AI開発でGPUが必要な理由や選び方を紹介しました

GPUはCPUよりも複数処理に強く、処理スピードも速いため、AI開発で多く用いられています。グラフィックボードや内蔵GPU、クラウドGPUなど種類も分かれています。導入する際はコストやコア数、メモリ容量、消費電力などを考慮して、自社の目的にあったGPUを選びましょう。

なお、自社にあったAI開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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