AIマーケティングで何が変わる?導入メリットや活用事例をまとめて解説【2024年最新版】

AIマーケティングで何が変わる?導入メリットや活用事例をまとめて解説

この数年でAI(人工知能)は著しい進化を遂げています。AIの進化に伴い、マーケティング分野においてもAIが活用されるシーンが勢いを増しており、世界中で注目を集めています。
一方で、この記事を読んでいるマーケティング担当者さまの中には、以下の疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。

  • マーケティングでAIを活用するメリットが知りたい
  • マーケティングでAIを活用したいけど、活用の仕方が分からない
  • 実際にAIマーケティングを取り入れている企業の事例を知りたい

本記事では、AIを活用したマーケティング活動について、注目されている理由や活用方法、AIを活用している企業の事例について解説します。最後まで読めば、AIを活用したマーケティング活動の基礎知識や実践することでの効果まで分かるため、参考にしてください。

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目次
  1. 1. AIとは?
  2. 2. マーケティング活動でAIが注目されている理由
    1. 2-1. 人が扱うデータ量の爆発的な増加
    2. 2-2. 行動パターンの多様化
    3. 2-3. AIは膨大な量のデータをもとにした複雑な分析や判断が得意
  3. 3. マーケティングに影響するAIの主な機能と役割
  4. 4. マーケティングにおけるAIの活用例
    1. 4-1. データ分析
    2. 4-2. 人流分析
    3. 4-3. 広告分析・最適化
    4. 4-4. データ管理・効率化
    5. 4-5. カスタマー対応
    6. 4-6. マーケット分野の新規開拓
  5. 5. AIマーケティングを取り入れた企業の事例14選
    1. 5-1. 楽天株式会社
    2. 5-2. Netflix, Inc
    3. 5-3. Amazon.com, Inc.
    4. 5-4. 株式会社電通
    5. 5-5. 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン
    6. 5-6. SATORI株式会社
    7. 5-7. 株式会社三越伊勢丹
    8. 5-8. 株式会社ニトリホールディングス
    9. 5-9. 株式会社メルカリ
    10. 5-10. ファミリーマート
    11. 5-11. イトーヨーカドー
    12. 5-12. ワインキュレーション株式会社
    13. 5-13. プロ野球
    14. 5-14. 千葉市動物公園
  6. 6. AIマーケティングの注意点(デメリット)とは
  7. 7. AIマーケティングの導入を迷っている方はシステム幹事へ

AIとは?

AIとは、「Artificial Intelligence」の略で、日本語では人工知能と呼ばれています。AIの定義はさまざまですが、人工知能学会では「まるで人間のようにふるまう機械」と説明しています。

近年、AIは顔認証や自動運転、農業ロボット、スマートスピーカーなどさまざまなシーンで活用されています。AIは人間でいう頭脳に当たる部分で、ほかのシステムと連携することによって、AIが物事を考え分析し、指示を受けたシステムが手足となって作業をします。

その結果、AIを活用することで作業を効率化できたり、人間ができない判断・分析を実行したりといった役割が可能となるのです。

ただし、AIにも得意・不得意がある点には注意が必要です。例えば、人間の頭脳と異なり、AIには以下のような弱点が挙げられます。

  • ​予測不能な事態に、人間のようなとっさの判断(臨機応変な判断)ができない
  • 例えば不良品の検出や気象情報の予測など、判断可能な範囲は限られる

AIの概念には、以下の技術が含まれています。

  • ルールベース
    人間の判断と意思決定を要し、人間が設定したルールに基づいて動く技術
  • 機械学習
    機械が自動でデータから学習し、ルールを発見し、学習した成果に基づいて分析・予測・判断する技術
  • ディープラーニング
    人間の脳のシステムに模した思考回路ネットワークを構築し、自ら反復的に学習し、人間の力なしにタスクを遂行する技術

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マーケティング活動でAIが注目されている理由

マーケティング活動でAIが注目されている理由

マーケティング活動において、重要な要素の1つがデータ分析です。

感覚ではなく客観的な情報をもとにした分析を通して計画や戦略を立てることで、ビジネスの成長に向けた適切な施策を打つことができます。

しかしながら、現代では

  • インターネットやSNS等の普及により人が扱うデータ量が増加した
  • オンラインとオフラインの垣根がなくなり人の行動パターンが多様化した

といった理由により、マーケティングにおける分析が複雑化しました。

それぞれどのような変化なのか、AIがどのように注目されているのか紹介しましょう。

人が扱うデータ量の爆発的な増加

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の影響による業務のオンライン化やテレワークの普及も後押しし、オンライン上でやりとりするデータ量が増加しました。

また、SNSをはじめとするサービスの普及によってテキストベースのコミュニケーションから画像や動画によるコミュニケーションが一般化し、やりとりされるデータ量も爆発的に増加しました。

行動パターンの多様化

インターネット、さらにスマホといったモバイルデバイスも普及したことで、オンラインとオフラインの垣根がなくなり、人々の行動パターンが多様化しています。

たとえば、服を買う行為であれば、過去ではアパレルショップへ足を運び店舗で購入することが一般的でした。

しかし、現代では

  • 店舗(オフライン)で服をみつける ⇒店舗(オフライン)で購入
  • 店舗(オフライン)で服を見つける ⇒通販(オンライン)で購入
  • 通販(オンライン)で服を見つける ⇒店舗(オフライン)で購入
  • 通販(オンライン)で服を見つける ⇒通販(オンライン)で購入

など、服を一つ買うだけでも様々なルートがあるため、どんな要素が購買行動に影響をあたえたのか複雑化し、マーケティングにおける分析が非常に難しくなってしまいました。

AIは膨大な量のデータをもとにした複雑な分析や判断が得意

そうした現代のデータ量の爆発的増加や複雑な分析が必要な場面でAIが活躍します。

AIは、膨大なデータを分析することで、人力では見出せないデータの「傾向」や「特徴」を発見し、さらに予想や判断を下すこともできるようになるのです。

たとえば服を買う人に対しては購入履歴やネットショップの行動履歴を分析することで、その人の好みや興味関心を特定(パーソナライゼーション)します。

AIによる分析の結果、

  • その人が気に入りそうな商品をネットショップでレコメンドする
  • その人が購買しやすいタイミングにクーポンを発行する
  • その人が興味をもつであろうコンテンツを紹介する
  • その人が気になりそうな広告を配信する

といったマーケティングアプローチを感覚ではなくデータに基づいて実現することができるようになります。
膨大なデータから顧客1人ひとりに合った特徴を容易に特定することは、AIの得意分野です。

AIを活用することで、ハイレベルなパーソナライゼーションを実施し、マーケティングを円滑に行えることからも大きく注目されています。

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マーケティングに影響するAIの主な機能と役割

AIの活用方法には、機能別で4つのタイプがあり、役割別で2つのタイプがあります。

先に例として紹介した服を買う場面以外で、AIがマーケティングにおいてどのように役に立つのかを紹介しましょう。

大まかには以下のような役割や活用をすることが可能です。

【機能別】

名称

役割

活用例

識別系

大量のデータから識別する

・医療画像を用いた診断
・画像やワードの検閲

・不良品の識別

予測系

大量のログを基に
予測・判断・計画する

・顧客行動予測

・需要予測

・異常値検知

会話系

対話コミュニケーション
を行う

・AI音声

・チャットボット

・他言語での会話

実行系

体や物を動かして
人間業務を行う

・自動運転
・ドローンAI制御

・データ入力作業の代行

【役割別】

名称

役割

活用例

代行型

人間の業務を
AIが代行することで
効果を最大化する

・コールセンターの

 自動音声

・配膳ロボット

拡張型

人の手では難しい
判断や作業を行う

・高精度の医療画像診断

・複数言語による対話業務

たとえば、AIが搭載されたチャットボットを自社のWebサイトに導入することで、自動応答により顧客対応のコストを減らすことが期待できます。

あるいは、実店舗であれば、画像や動画の解析により人の流れの傾向を把握することで、「より売れやすい商品」を「より売れやすい場所に」設置し、売上アップを図ることも可能となります。

マーケティングにおけるAIの機能や役割は、大きくは上記のような分類となりますので、把握しておくとよいでしょう。

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マーケティングにおけるAIの活用例

ここでは、イメージ化を促すためにマーケティングにおけるAIの活用例をいくつかご紹介します。

どのような場面でAIを活用できるのかイメージすることで、マーケティングへの応用もしやすくなります。参考にしてみてください。

データ分析

マーケティングにおいて、顧客や市場について理解を深めるためのデータ分析は必須です。

AIは、数値的なデータはもちろん、テキスト、音声、画像、動画などの非構造化データの分析にも役立ちます。

たとえば、SNSでは、ユーザーの視聴した画像・動画の特徴、「いいね」やコメントなどの反応をもとに、その人の興味関心をAIが分析。より気に入るコンテンツを自動的に配信(レコメンド)しています。

自分から情報を探すのではなく、情報からやってくるのを待つ行動特性が見られる世代へのマーケティングにはAIの重要度がより高まっているといえるでしょう。

人流分析

人の流れをAIでデータ化することによって、店舗内の混雑緩和や商品ディスプレイ・導線の最適化を図れます。

顧客の行動パターンや要因などを分析することで、販売促進のためのレイアウトや設置商品の入れ替えなど改善策を導きだすことが可能です。さらに、スタッフの配置や担当エリアの最適化など、課題に応じて解決策を見出すことができます。

広告分析・最適化

AIは広告運用においても重要な役割を担っています。例えば、リスティング広告の入札では、入札条件を設定し、ビッグデータをもとにAIが自動的に最適なプランで広告を運用するパターンが増えています。

また、ユーザーが利用するWebサイトやアプリに配信する広告の運用においても、AIが有用です。

複数の媒体にまたがった広告運用と管理も、AIで自動化および最適化するシステムが提供されており、マーケティング活動の効率化を図ることが可能となります。

データ管理・効率化

自社サイトに訪問したユーザー情報を収集し、AIでデータの管理・分類・分析を行うことで、購買意欲の高い顧客や解約の意思がある顧客、その要因などを予測可能です。

AIの予測に応じた「レコメンドの表示」や「ユーザーに合わせたメッセージの送信」などが可能になり、マーケティングにおいて重要な顧客のエンゲージメント(反応)の向上が期待できます。

カスタマー対応

近年、カスタマー対応にチャットボットを活用し、テキストや音声を介した顧客との会話を自動化するサービスも増加傾向にあります。

あるいはAIを活用した合成音声をつくり自動応答サービスとして活用すれば、コールセンターの負担を下げるといった取り組みも可能となります。

直接的なコミュニケーションをAIに代替することによって、カスタマー対応の強化や人件費の削減につながります。

マーケット分野の新規開拓

大量のデータを学習し、人では発見しにくい規則性や特徴を分析する「ディープラーニング」を活用すれば、未開拓だったマーケティング領域に気付くことが容易になります。AIを活用することで、需要やトレンドを予測し、ビジネスの新たな市場開拓も可能となるでしょう。

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AIマーケティングを取り入れた企業の事例14選

AIマーケティングを取り入れた企業の事例14選

ここまで、AIをマーケティングに活用する基本を紹介してきました。

ここからは、企業はAIをどのように活用し、どのような効果を生み出しているのか、実際にAIマーケティングを取り入れている企業の事例を紹介していきましょう。

楽天株式会社

楽天株式会社

画像引用:楽天グループ株式会社コーポレートサイト

顧客に新しい価値をもたらすべく、ビッグデータとAIを駆使したイノベーションを追求している楽天グループ。例えば、楽天市場ではAIを活用し、ページ内における消費行動に関するビッグデータを分析しています。

また、同社では出店者に向けてユーザーの長時間閲覧箇所や離脱箇所を検出する「ページ診断サービス」を展開しており、1,100店舗を対象としたテストの導入で、平均43%もの転換率向上を実現しました。

参照:Big Data & Rakuten AI Platform | 楽天グループ株式会社

Netflix, Inc

Netflix, Inc

画像引用:Netflix (ネットフリックス) 日本

Netflix, Incでは、ユーザーが視聴したコンテンツや視聴時間帯、出演者などを分析することで、レコメンド機能や配信するコンテンツに活かしています。同社は、ユーザーの視聴履歴に応じてハイライトする俳優やテーマを変更するなど、表示するアートワークを適用することによって、コンテンツの視聴率の上昇につなげています。

また、2021年10月には、ボットに40万時間分のホラー映画を試聴させて作成させた、オリジナルのホラー映画(3Dアニメ)をYouTube上で公開しており、クリエイティブ分野においてもAIの活躍っぷりが伺えます。こちらは2022年9月現在、公開から1年経たずして約380万回再生されており、「1つの映画に500もの映画のあるあるが詰め込まれている感じ。もっと見てみたい」「素晴らしい脚本、衝撃的なひねり、高品質のアニメーション、まさに傑作」などと賞賛コメントで溢れかえっています。

参照:Netflixの屋台骨 「AIレコメンド」技術最前線|日本経済新聞
参照:The First Horror Movie Written Entirely By Bots | YouTube

Amazon.com, Inc.

Amazon.com, Inc.

画像引用:アマゾンジャパンキャリアサイト

2019年に、Amazon. com, Inc.では、AI(人工知能)とAR(拡張現実)を活用することで、バーチャル上でメイクアップアイテムを試せる機能を導入しています。これによって、同社は「購入前にメイクアップアイテムを試せない」といったEコマースの弱点を改善し、利便性のさらなる向上を図っています。

同社は2018年にレジレス技術の「Just Walk Out」を採⽤した⼩型店舗「Amazon Go」を、2020年には生鮮食品を扱う大型店舗「Amazon Fresh」を開店。Amazon Freshの⼀部店舗で設置されている「Amazon Dash Cart」は、付属の端末で個⼈認証を済ませることにより、レジ不要でそのまま決済可能なスマートカーとです。同社は店舗に設置されたカメラなどを用いて収集した購買データを用いて、カートにおすすめ商品をレコメンドすることで、購買促進につなげています。

また、同社の取り組みは、ユーザーの購買体験や広告事業の精度向上にも大きく寄与しています。2022年第2四半期において、同社は広告事業の成長が鈍化した米Google社や同事業の売上高が前年割れとなった米Meta Platformsに差をつけ、売上高が前年同期比18%アップするなど、大幅な成長を遂げています。

参照:Amazon、AIを活用したバーチャルメイク機能を導入|アマゾンジャパン合同会社のプレスリリース
参照:購買変えるアマゾンのAI店舗、広告でグーグルを猛追 | 日経クロステック(xTECH)

株式会社電通

株式会社電通

画像引用:電通ウェブサイト

2018年に、株式会社電通は、AIによるビッグデータ解析を通して、次に流行するキーワードを予測するシステム「TREND SENSOR(β版)」を開発しました。SNSマーケティングが主流となっている現在、同社はSNSの情報とマスメディアの情報を混成することで、新たなトレンドの創出や需要の喚起および創造に努めています。

また、同年に同グループはAIを活用したバナーの自動生成ツール「ADVANCED CREATIVE MAKER(アドバンストクリエーティブメーカー)(β版)」を開発。本ツールでは、5秒間に1枚のペースでバナーを作成し、候補となる1,000枚以上ものバナーの中から、広告効果予測を用いてより優れた10本に絞ることが可能です。広告の予想CTRも表示されるため判断しやすい点もメリットで、同社は広告の作成効率の向上やマーケティングの効率化を実現しています。

参照:電通、AIによる流行キーワード予測システム「TREND SENSOR(β版)」を開発 - News(ニュース) | 電通ウェブサイト
参照:Ledge.ai Webinar vol.24「クリエイターの仕事はAIでどう変わる?電通が開発したクリエイター支援AIに迫る」 |YouTube

株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン

株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン

画像引用:GDO | 日本最大級のゴルフポータルサイト | ゴルフダイジェスト・オンライン

株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインでは、マーケティングチーム(人)の経験と知識で実施していたインセンティブの提供をAIに判断させたことで、新規購入者数が19%増加しました。

また、同社は新規顧客獲得に向けた有効なセグメントの発見にマーケティングAIプラットフォーム「VALIS-Cockpit」を活用することで、新規顧客の年間LTV(顧客生涯価値)が平均の2倍に向上しています。

参照:クーポンのコンバージョン率 (CVR) が50%-100%上昇|株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン(Golf Digest Online)
参照:マーケティングAIプラットフォーム「VALIS-Cockpit」を活用し、根拠をもったセグメント設定で年間LTVが2倍に|GDO(ジーディーオー)のプレスリリース

SATORI株式会社

SATORI株式会社

画像引用:マーケティングオートメーションツール SATORI

SATORI株式会社は、自社で開発したマーケティングオートメーションツール「SATORI」を活用し、実名見込み顧客のみならず、購買意欲の高い匿名見込み顧客に対してのナーチャリングを実現しています。

メール配信ツール利用時には10〜15件だったセミナー集客数が、SATORIの導入によって倍増しており、現在では毎回約30件もの集客を見込めているとのことです。そのほかにも、内製化によるスピーディーな対応など、多くの効果を生み出しています。

参照:人工知能・機械学習に強みを持つエッジテクノロジー株式会社が国産MAツール「SATORI」を導入|SATORI株式会社のプレスリリース
参照:「SATORI」の導入でセミナー集客数が倍増。営業支援の“目利き”が選んだMAツール - マーケティングオートメーションツール SATORI | SATORI株式会社

株式会社三越伊勢丹

株式会社三越伊勢丹

画像引用:株式会社三越伊勢丹ホールディングス

2019年に株式会社三越伊勢丹は、Yahooと共同でママ向けファッションアイテムを開発しています。Yahoo!検索結果やYahoo!知恵袋などの膨大なビッグデータを統計化し、AI技術によって解析することで、子育て中の女性の悩みやファッションのニーズ、トレンドを抽出。獲得したユーザーインサイトを基に座談会を行い、ユーザーニーズとマッチした商品の開発に成功しています。

参照:三越伊勢丹とビッグデータ・AIを活用し、ママ向けファッションアイテムを開発 - ニュース|ヤフー株式会社

株式会社ニトリホールディングス

株式会社ニトリホールディングス

画像引用:ニトリホールディングス

株式会社ニトリホールディングスでは、O2Oマーケティングで取り入れている広告運用にAIを活用しています。同社は、世界で初めてGoogleが提供しているO2Oディスプレイ広告の入札単価調整を自動化しました。

同社では、AIが来店の可能性が高いユーザーを予測して広告の入札単価調整をリアルタイムに行うことで、広告費の削減や来店者数36%アップを実現しています。

参照:ディスプレイ広告による店舗への誘導施策を自動化する - 世界初となる機械学習を活用した全自動化で 36% 来店者数増加を実現したニトリ|Think with Google

株式会社メルカリ

株式会社メルカリ

画像引用:株式会社メルカリ

株式会社メルカリでは、自社フリマアプリ「メルカリ」に機械学習とディープラーニングを活用した写真探索機能を2019年に導入しています。これはスマホで撮影した写真をメルカリにアップロードし、メルカリ上で出品されている同じ商品や似た商品を表示させるという機能です。これによって、同社は「商品名やブランド名が分からず検索できない」といったユーザーの課題を解決しています。

また、同社のAIチームでは、より良いカスタマーエクスペリエンスを実現すべく、AIを活用した様々な取り組みを実施しており、中でもクーポン配布のセグメーション定義に機械学習モデルを取り入れることによって、クーポンの配布効率を大幅に改善しています。

参照:フリマアプリ「メルカリ」、「写真検索機能」を導入|株式会社メルカリのプレスリリース
参照:CRMへのAI活用〜より良いマーケティング体験の提供とキャンペーン効果を向上させる方法について | mercari AI

ファミリーマート

ファミリーマート

画像引用:ファミリーマート公式ウェブサイト

ファミリーマートでは、2019年にパナソニックと協業し、AIやloTなどの技術を活用した実証実験店舗を開店しています。同店舗では、以下のシステムを導入し、店舗運営の省力化や顧客満足度の向上を図っています。

  • 顔認証システム
    事前に登録した顔写真とクレジットカード情報が、入店時や決済時に利用可能に
  • 商品管理システム
    カメラやセンサーで把握した顧客の性別や推定年齢などをデータ化することで、商品の発注や店舗レイアウトを最適化
  • 店舗の日商予測
    AIを活用し、店舗の平均日商の予測値をボタン1つで算出

AIを活用した店舗の日商予測では、約6割の店舗において、予測値と実売上の誤差が±5万円以内のレンジに収まるようになるなど、予測の精度が大幅に改善したとのことです。また、重回帰モデルの頃と比べ、試行・検証の体感スピードが3倍にも増しており、コスト面においても半分以下のコストカットを実現しています。

参照:株式会社ファミリーマート様 - 事例|パナソニック コネクト
参照:利用事例:ファミリーマート、AIを活用した店舗の日商予測を実現| グルーヴノーツ | MAGELLAN BLOCKS

イトーヨーカドー

イトーヨーカドー

画像引用:イトーヨーカドー

イトーヨーカドーでは、AIを使った商品発注システムを導入しています。これは価格や天候、各曜日の特性、商品陳列の列数、顧客数などの情報を多角的に分析することで、最適な販売数を予測し、発注担当者に提案するというものです。

発注担当者がこのデータに基づいて発注判断を行うことで、平均35%(平均約3時間)もの作業時間の削減、冷凍食品に限っては約42%もの短縮に成功しています。また、欠品率は27%減少し、営業中の在庫切れによる顧客の機会損失も大幅に減少しました。

発注量を控えめにしていた同社でしたが、現在ではAIによる需要予測を導入したことで、攻めの発注が可能となりました。必要な商品が過不足なくそろっている状態をつくることや、削減されたコストをさらに集客に充てるといった選択も可能となり、マーケティング効率を高めることにもつながります。

参照:イトーヨーカドーがAI発注システム導入 作業時間を3割削減|ITmedia NEWS
参照:セブン&アイ・ホールディングス様のイノベーションを支える、NECの最新AI技術|wisdom

ワインキュレーション株式会社

ワインキュレーション株式会社

画像引用:Wine-days

キリングループのワインキュレーション株式会社では、自社のワイン通販サイト「京橋ワイン」でWeb接客ツール「ZenClerk」を導入しています。

従来では、マーケティング施策としてすべての既存顧客にクーポンを配信していたため利益効率が悪かったのですが、AIにより買おうかどうか迷っている顧客に限定してクーポンを配信することで、クーポン施策による利益率の向上につながりました。

AI×クーポンにより顧客の購買意欲を後押しし、売り上げの増加やコストの削減に大きく寄与しています。

参照:Web接客ツール「ZenClerk」の導入活用事例|導入企業「ワインキュレーション株式会社様」|AI・人工知能製品サービスの比較一覧・導入事例・資料請求が無料でできるAIプラットフォーム|AIsmiley (アイスマイリー)

プロ野球

プロ野球

プロ野球では、AIを活用して試合日程や座席、対戦カードなどの過去データから試合ごとの需要予測を行い、需要に応じて席の料金を変動させるダイナミックプライシングを導入しています。
これによって、人気席種と不人気席種の販売スピードの均等化を図り、ゲーム当日時点の完売を目指しています。

具体的には、チケット収入はダイナミックプライシング導入前と比べて14%も増加しており、チケットの平均単価は2%減少したものの、販売数量は17%も伸びています。

参照:人気沸騰のプロ野球チケット販売に起きる進化 | スポーツ | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

千葉市動物公園

千葉市動物公園

画像引用:千葉市:千葉市動物公園

千葉市動物公園では、入場ゲートやレストラン、駐車場など、園内に設置したカメラで取得した画像データから来園者の属性を収集および分析する実証実験を実施しています。同園では収集したデータを活用し、来園者の増加に向けた集客施策やマーケティングへ、園内飲食店における新メニューの開発やサービス提供、人員配置などの施設運営の効率化に役立てる予定です。

参照:記者発表資料|千葉市動物公園で来園者情報の収集・分析を実施します|千葉市

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AIマーケティングの注意点(デメリット)とは

AIマーケティングの注意点(デメリット)とは

ここまでAIマーケティングの効果をご紹介しました。一方で、AIをマーケティングに取り入れる際には以下の点にも注意しておきましょう。

  • 情報漏洩リスクの増加
  • コストの増大(一時的)

情報漏洩の原因としては、以下が挙げられます。

  • デバイスやUSBメモリの紛失や置き忘れ、盗難
  • 誤作動・誤送信
  • ウイルス感染・不正アクセス

情報漏洩リスクにおいては、使用する人の意識レベルを上げる必要があります。企業はセキュリティポリシーを作成し、セキュリティ教育を実施するなどして、使用者に上記のような原因があることを理解させておきましょう。

また、以下のようなソリューションの導入も効果的です。

  • セキュリティソリューション(ファイアウォールやアンチウイルスソフトなど)
  • メール誤送信防止システム
  • クラウドストレージ
  • VPN

先に述べた通り、AIの導入には初期費用が発生します。しかし、きちんと自社の課題や目的を明確化し、適切なAI開発企業を選ぶことで、作業の効率化や生産性の向上、人件費の削減につながるため、長期で見ればコストを低くすることが可能です。

雇用の減少に関しては、AIの普及によって、将来的に単純作業の多い職業・業界の雇用が減少する可能性が懸念されている一方で、AIの浸透によって生まれる雇用もあるでしょう。
例えば、マーケターやデータサイエンティストは、人がAIを活用して分析する仕事であるため、AIには代替されないと言われています。

オックスフォード大学の予測では、AIの苦手分野には以下のようなものが挙げられています。

  • ホスピタリティが必要な作業(医療関係やカウンセリングなど)
  • コミュニケーション能力が求められる作業(法律関係や教育、コンサルティング、営業など)
  • クリエイティブ・アート関係の作業(スポーツやアートなど)

参照:AIと共存する未来~AI時代の人材~|株式会社野村総合研究所
関連記事:個人情報漏洩の防止対策|情報流出原因や被害事例、企業・従業員別の対策を解説!

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AIマーケティングの導入を迷っている方はシステム幹事へ

本記事では、AIを活用したマーケティングが注目されている理由や活用方法、マーケティングにAIを活用している企業の事例について解説しました。AIをマーケティングに活用することで、以下のような時代の変化に伴う課題に対する対応が可能です。

  • 大量のデータ量
  • 多様化している行動パターン
  • 膨大な量のデータをもとにした複雑な分析や判断

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Q. AIを活用したマーケティング事例には何がある?

AIを活用したマーケティング事例として「データ分析」「人流分析」「広告分析・最適化」等があります。その他の事例は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。