【2024年1月最新】AI開発に使える5つの補助金とは?メリットや採択率を高めるコツも解説

AIシステムを導入するにあたって補助金を申請したいと考えているが、どのような補助金があるのかわからず悩んでいる方もいるかと思います。

そこで本記事では、AI開発に使える補助金をご紹介。AI開発利用できる補助金の種類や概要、補助金を活用する際の注意点、採択率をあげるポイントまで解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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目次
  1. 1. AI開発に使える5つの補助金
    1. 1-1. ものづくり補助金
    2. 1-2. IT導入補助金
    3. 1-3. 小規模事業者持続化補助金
    4. 1-4. 事業再構築補助金
    5. 1-5. 業務改善助成金
  2. 2. 補助金と助成金の違い
  3. 3. AI開発に補助金を活用するメリット
  4. 4. AI開発に補助金を活用する際の注意点
    1. 4-1. 申請要件が厳しい傾向にある
    2. 4-2. 書類準備や採択後の報告業務に工数がかかる
    3. 4-3. 補助金は後払いになる
  5. 5. AI開発補助金の採択率を上げるポイント
    1. 5-1. 採択事例をリサーチしておく
    2. 5-2. 書類の不備をなくす
    3. 5-3. 加点項目を満たす
    4. 5-4. わかりやすく記載する
    5. 5-5. 補助金申請のサポートや相談窓口を利用する
  6. 6. AIを導入するメリット
    1. 6-1. 業務を自動化して人件費を削減できる
    2. 6-2. 業務を効率化できる
    3. 6-3. ヒューマンエラーを減らせる
    4. 6-4. ノウハウの共有を効率化できる
    5. 6-5. データ分析や予測ができる
    6. 6-6. 効率的な顧客対応ができる
  7. 7. 【まとめ】AI開発で申請できる補助金を紹介しました

AI開発に使える5つの補助金

さっそく本題である、AI開発に使える補助金を見ていきましょう。ここでは、2024年7月時点で利用できる5つの補助金をご紹介します。各補助金の主な目的は以下の通りです。

補助金・助成金の名称

補助金・助成金の主目的

ものづくり補助金

商品・サービスの開発、生産プロセス改善のための

設備投資に利用できる補助金

IT導入補助金

中小企業や小規模事業者の業務効率化・生産性向上のために

ITツールの導入をサポートする補助金

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が持続的な経営が行えるように、

販路開拓や業務効率化をサポートする補助金

事業再構築補助金

ウィズコロナやポストコロナ、アフターコロナの社会変化に

対応するために企業の事業再構築を支援する補助金

業務改善助成金

企業の生産性向上を目的とした設備投資やコンサルティング費用、

人材教育費用を支援する助成金

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者が生産性向上を目的に、商品・サービスの開発、生産プロセス改善のための設備投資を行うことを支援する補助金です。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」。

AIを活用した設備投資の補助は、「省力化(オーダーメイド)枠」にて申請できます。

生産プロセスを自動化するために、AIやロボット、センサーなどのデジタル技術を活用することが「省力化(オーダーメイド)枠」を利用するための前提条件です。デジタル技術を活用していない機械装置は対象外になることに注意しましょう。

主な要件として、以下の条件を満たす3年~5年の事業計画書を策定し、実行する必要があります。

  • 付加価値額 年平均成長率+3%以上増加
  • 給与支給総額:年平均成長率+1.5%以上増加
  • 事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上

対象者

ものづくり補助金の対象者は、日本国内に本社と補助事業の実施場所を持つ中小企業者や組合、小規模企業者、小規模事業者です。

中小企業者の場合は、資本金と常勤の従業員数が以下の表の条件を満たしている必要があります。

中小企業者で組合関連ではない場合

業種

資本金

常勤の従業員数

製造業、建設業、運輸業、旅行業 

3億円以下

300人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

サービス業

(ソフトウェア業、情報処理サービス業、

旅館業を除く)

5,000万円以下

100人以下

小売業

5,000万円以下

50人以下

ゴム製品製造業

(自動車・航空機用タイヤ・

チューブ製造業・工業用ベルト製造業を除く)

3億円以下

900人以下

ソフトウェア業・情報処理サービス業 

3億円以下

300人以下

旅館業

5,000万円以下

200人以下

その他の業種(上記以外)

3億円以下

300人以下

中小企業者で組合・法人関連の場合は、以下の組織形態に該当する必要があります。

組織形態

企業組合

協業組合

事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会

商工組合、商工組合連合会

商店街振興組合、商店街振興組合連合会

水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会

生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会

酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会

内航海運組合、内航海運組合連合会

技術研究組合

小規模企業者・小規模事業者の場合は、以下の表の条件を満たすことが条件です。

業種

常勤の従業員数

製造業その他

20人以下の会社・個人事業主

商業・サービス業

5人以下の会社・個人事業主

サービス業のうち宿泊業・娯楽業

20人以下の会社・個人事業主

※上記に該当する場合でもあっても細かい条件があるケースもありますので、詳細はものづくり補助金の公式Webサイト内にある最新の公募要領にてご確認ください。

採択率

過去の採択率は以下の表の通りです。

 

採択率

18次公募(令和6年)の採択結果

35.8%

17次公募(令和6年)の採択結果

29.4%

16次公募(令和6年)の採択結果

48.8%

15次公募(令和5年)の採択結果

50.2%

14次公募(令和5年)の採択結果

50.8%

補助金額・補助率

省力化(オーダーメイド)枠の補助金額

補助金額 ※()内は大幅賃上げを行う場合

5人以下

〜750万円(1,000万円)

6〜20人

〜1,500万円(2,000万円)

21〜50人

〜3,000万円(4,000万円)

51〜99人

〜5,000万円(6,500万円)

100人以上

〜8,000万円(1億円)

省力化(オーダーメイド)枠の補助率

 

補助率

中小企業者

1/2(補助金額が1,500万円を超える部分は1/3)

小規模事業者・再生事業者

2/3(補助金額が1,500万円を超える部分は1/3)

AI関連の採択事例

ものづくり補助金のAI開発・AI導入関連事業の採択事例を一部紹介します。どのような事業で利用できるかをイメージする参考にしてください。

  • AIによる自動配色設定と一括塗装および乾燥による塗装工程の改善
  • AIの検品自動化で必要人数を確保し、大型製麺ラインの生産性を向上
  • 「AI×遠隔×自動制御」技術を備えた水やりサービス開発
  • 生成AIによるchatbotを用いた社内資料検索アプリの開発
  • AI技術を活用した葬儀司会アプリによる新しい葬儀サービスの提供
  • 外構工事に特化した見積・パース自動作成AIシステムの開発
  • 税務領域における生成AIを活用したチャットボットシステムの開発
  • AIを活用した小規模事業者特化型CRMツールの開発
  • 世界初のBtoB受発注特化型AIサービス「PROINI.AI」の開発
  • AIと音声合成技術を活用した革新的英語学習アプリの開発

参照:ものづくり補助金公式Webサイト内「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 第18次締切採択案件一覧」より

IT導入補助金

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者の業務効率化・生産性向上のためにITツールの導入をサポートする補助金です。

独立行政法人中小企業基盤整備機構が採択し、同機構と中小企業庁監督のもとでTOPPAN株式会社が事務局業務を運用しています。IT導入補助金の事務局に登録されているITツールを導入することが、補助金を利用する条件です。

AIシステム単体だけでの申請は難しいとされている補助金ですが、目的を達成するための複数プロセスの一部としてAI開発でも申請できます。

例えばChat-GPTを導入したい場合、「顧客対応業務の効率化」を目的に、顧客対応チャットサポートやコンサルティングと組みああわせてChat-GPTを導入するなどの方法があげられます。申請枠の種類は以下の通りです。

  • 通常枠
  • インボイス枠(インボイス対応類型)
  • インボイス枠(電子取引類型)
  • セキュリティ対策推進枠
  • 複数社連携IT導入枠

いずれの枠も要件を満たせばAI開発での申請が可能です。以下では、申請枠の中でも一般的な「通常枠」の概要をご紹介します。

対象者

IT導入補助金の対象者は、製品・サービスの生産・提供などの生産活動を行っている中小企業・小規模事業者です。指定されている条件は以下の表の通り。

中小企業の場合

 

資本金・出資額

常勤の従業員数

製造業、建設業、運輸業

3億円以下

300人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

サービス業

(ソフトウェア業又は情報処理サービス業、

旅館業を除く)

5,000万円以下

100人以下

小売業

5,000万円以下

50人以下

ゴム製品製造業

(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業

並びに工場用ベルト製造業を除く)

3億円以下

900人以下

ソフトウェア業又は情報処理サービス業

3億円以下

300人以下

旅館業

5,000万円以下

200人以下

その他業種(上記以外)

3億円以下

300人以下

医療法人、社会福祉法人

300人以下

学校法人

300人以下

商工会・都道府県連合会及び商工会議所

100人以下

中小企業支援法第 2 条第1項

第4号に規定される中小企業団体

上記の業種の分類に基づく

特別の法律によって設立された組合又はその連合会

上記の業種の分類に基づく

財団法人(一般・公益)、

社団法人(一般・公益)

上記の業種の分類に基づく

特定非営利活動法人

上記の業種の分類に基づく

小規模事業者

 

常勤の従業員数

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)

5人以下

宿泊業・娯楽業

20人以下

製造業その他

20人以下

採択率

 

採択率

6次公募の採択結果

94.5%

5次公募の採択結果

64.2%

4次公募の採択結果

95.0%

3次公募の採択結果

83.5%

2次公募の採択結果

82.9%

補助金額・補助率

補助金額

上限:150万円~450万円

下限:5万円~150万円未満

補助率

1/2以内

参照:IT導入補助金の公式サイト内「IT導入補助金2024 公募要領 通常枠」より

補助金の対象になるAIツール

補助金の対象になるAI開発ツールやAI搭載ツール・システムの例をいくつか紹介します。以下のようなツール・システム・サービスが対象です。

  • Humanome CatData:予測AIを組み込んだアプリの開発支援クラウドツール
  • Humanome Eyes:物体検知AIを開発するクラウドツール
  • OPTiM AI Camera:カメラの画像データと連動したAI画像解析サービス
  • AI Shop Revo:カメラの映像から不審行動を検知し声掛けする接客支援AIサービス
  • AI美容診断システム:カメラの画像データから身体の特徴を診断・分析・判定するシステム

参照:IT導入補助金の公式サイト内「ITツール・IT導入支援事業者検索」ページより

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が持続的な経営をが行えるよう、販路開拓や業務効率化を実現するための取り組みをサポートする補助金です。中小企業庁が管轄しています。

機械装置の導入やWebサイト関連費、新商品の開発費などさまざまな経費が対象となります。販路開拓や業務効率化につながる場合は、AIシステムの導入も対象です。申請枠には以下のものがあります。

  • 通常枠
  • 賃金引上げ枠
  • 卒業枠
  • 後継者支援枠
  • 創業枠

いずれの申請枠も要件を満たせばAI開発・AI導入でも申請が可能です。以下では、申請枠の中でも一般的な「通常枠」の概要をご紹介します。

対象者

小規模事業者持続化補助金は、日本国内にある小規模事業者です。

小規模事業者の基準は以下の表の通りです。

 

常勤の従業員数

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 

5人以下

サービス業のうち宿泊業・娯楽業

20人以下

製造業その他

20人以下

ただし、以下に該当する場合は対象外になるので注意しましょう。

  • 医師、歯科医師、助産師
  • 系統出荷による収入のみの個人農業者(個人の林業・水産業者についても同様)
  • 協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
  • 一般社団法人・公益社団法人
  • 一般財団法人・公益財団法人
  • 医療法人
  • 宗教法人
  • 学校法人
  • 農事組合法人
  • 社会福祉法人
  • 申請時点で開業していない創業予定者
  • 任意団体

また、資本金が5億円以上の法人に株式の100%を保有されていないことや課税所得の年平均額が15億円を超えていないことなどの細かい条件も満たす必要があります。詳細は最新の公募要領で確認してください。

採択率

 

採択率

小規模事業者持続化補助金第15回公募

41.8%

小規模事業者持続化補助金第14回公募

62.5%

小規模事業者持続化補助金第13回公募

57.0%

小規模事業者持続化補助金第12回公募

55.6%

補助金額・補助率

補助金額

上限50万円

補助率

2/3

インボイス特例
(要件を満たしている場合に本来の上限額に上乗せ)

50万円

AI関連の採択事例

AI開発やAI搭載ツールの導入など、AIに関連する採択事例を一部紹介します。

  • 生成AI(ChatGPT)搭載の次世代音声翻訳機の開発
  • 対話型AIプラグイン機能を使った外国人起業家支援事業
  • AI・3D先端技術を駆使したサービス提供
  • AIチャット構築ツールChatStreamの市場開拓
  • AI・デジタルツールを用いたカウンセリング事業強化と社会貢献
  • AI表情分析システムで従業員の笑顔を満開にし、現場を活性化
  • 生成AIでデザイン作成が学べる教室の宣伝広告の強化で新規開拓
  • AI診断による理想的なオーダー寝具による快適な睡眠の提供

参照:小規模事業者持続化補助金公式サイト内「採択者一覧」より

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、中小企業庁が管轄する、ウィズコロナやポストコロナの社会変化に対応するために企業の事業再構築を支援する補助金です。事業の新分野展開や業態転換、事業再編などが対象となります。

補助の対象となる企業や業種、申請枠が幅広いことが特徴です。情報通信業や教育支援業、サービス業などにおけるAIシステムの導入も対象となります。申請枠の種類には以下のものがあげられます。

  • 成長分野進出枠(通常類型)
  • 成長分野進出枠(GX 進出類型)
  • コロナ回復加速化枠(通常類型)
  • コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)大規模賃金引上促進枠
  • サプライチェーン強靱化枠
  • 卒業促進上乗せ措置サ
  • 中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置

いずれの申請枠も要件を満たせばAI開発での申請が可能です。以下では、申請枠の中でも一般的な「成長分野進出枠(通常類型)」の概要をご紹介します。主な要件は以下の通り。

  • 事業再構築指針で定義されている事業再構築にあたる事業を行う
  • 認定支援機関と事業計画を策定して確認を受ける(金融機関から融資を受ける場合は金融機関の確認も受ける)
  • 付加価値額を補助事業終了後3~5年で年平均4%以上増加させる

上記を満たしたうえで、以下の1・2のどちらかを満たす必要があります。

  1. 「事業終了後3~5年で給与を年平均2%以上増加」かつ「過去~今後の任意の10年間で市場規模が10%以上拡大する業種・業態である」
  2. 過去~今後の任意の10年間で市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属している企業が別業種・業態の新規事業を実施する

対象者

事業再構築補助金の対象者は、以下の要件を満たす中小企業者や中堅企業です。

中小企業者の場合は、以下の表の条件を満たす必要があります。

 

資本金

常勤の従業員数

製造業、建設業、運輸業

3億円

300人

卸売業

1億円

100人

サービス業

(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)

5,000万円

100人

小売業

5,000万円

50人

ゴム製品製造業

(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業

並びに工業用ベルト製造業を除く)

3億円

900人

ソフトウェア業又は情報処理サービス業

3億円

300人

旅館業

5,000万円

200人

また、中小企業者等に含まれる中小企業者以外の法人も該当します。例えば、企業組合や一般財団法人、一般社団法人、農事組合法人などが含まれます。詳細は最新の応募要領でご確認ください。

中堅企業の場合は、資本金や出資の総額が10億円未満の法人であることが条件です。資本金や出資額の総額が定められていない場合は、常勤の従業員数が2,000人以下でなければいけません。

採択率

 

採択率

11次公募の採択結果

26.4%

10次公募の採択結果

48.1%

9次公募の採択結果 

45.5%

8次公募の採択結果

51.3%

7次公募の採択結果

51.2%

補助金額・補助率

成長分野進出枠(通常類型)の補助金額・補助率は以下の表の通りです。

補助金額

従業員数

 

従業員20人以下

100万円~1,500万円(2,000万円)

従業員21人~50人

100万円~3,000万円(4,000万円)

従業員51人~100人

100万円~4,000万円(5,000万円)

従業員101人以上

100万円~6,000万円(7,000万円)

補助率

中小企業者等

1/2(2/3)

中堅企業等

1/3(1/2)

※()内は大規模な賃上げを行う場合
参照:事業再構築補助金公式サイト内「事業再構築補助金【サプライチェーン強靱化枠を除く】公募要領(第12回)」より

AI関連の採択事例

AI開発やAI搭載ツール・サービスに関連する採択事例を一部紹介しますので、参考にしてください。

  • 建設業特化のAI査定Webサービスの新規事業構築
  • AI-OCR技術を用いた相続関連書類(旧字体)の文字認識および家系図作成サービス
  • AI活用による不動産業向け文書自動作成サブスクサービスに進出
  • AIパートナー(生成AI)を活用した次世代型マッチングアプリの運営
  • AIを活用した個人向け投資学習コンテンツ事業への挑戦
  • AIアルゴリズムを活用したプロ人材マッチング事業
  • AIを活用した個人向け投資学習コンテンツ事業
  • 生成AIを活用したノーコード業務効率化SaaSの事業計画

過去の採択事例は事業再構築補助金の公式サイトで確認できますので、詳細は公式サイト内の「採択結果」ページでご確認ください。

業務改善助成金

業務改善助成金は厚生労働省が管轄する、企業の生産性向上を目的とした設備投資やコンサルティング費用、人材教育費用を支援する助成金です。上記の投資を行うと同時に、事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げた場合、助成金を受け取ることができます。

対象者

対象者は中小企業者・小規模事業者で、事業場内の最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であることが条件です。解雇や賃金引き下げなどの不交付事由がある場合は利用できません。

中小企業・小規模事業者に該当するのは以下を満たす事業者です。

業種

資本金・出資額

常勤の従業員数

小売業(小売・飲食など)

5,000万円以下

50人以下

サービス業(物品賃貸・宿泊・医療・福祉など)

5,000万円以下

100人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

その他の業種(農業・林業・建設業・製造業など)

3億円以下

300人以下

助成金額・助成率

助成上限額は最大600万円で、助成金額は引き上げる最低賃金額と、賃金を引き上げる従業員の人数に応じて変わります。それぞれの上限額は以下の通り。

最低賃金
引き上げ額

引き上げる
労働者数

上限額

(事業場規模30人以上)

上限額

(事業場規模30人未満)

30円

1人

30万円

60万円

2~3人

50万円

90万円

4~6人

70万円

100万円

7人以上

100万円

120万円

10人以上
(別途条件あり)

120万円

130万円

45円

1人

45万円

80万円

2~3人

70万円

110万円

4~6人

100万円

140万円

7人以上

150万円

160万円

10人以上
(別途条件あり)

180万円

180万円

60円

1人

60万円

110万円

2~3人

90万円

160万円

4~6人

150万円

190万円

7人以上

230万円

230万円

10人以上
(別途条件あり)

300万円

300万円

90円

1人

90万円

170万円

2~3人

150万円

240万円

4~6人

270万円

290万円

7人以上

450万円

450万円

10人以上
(別途条件あり)

600万円

600万円

助成率は、引き上げ前の事業場の最低賃金によって変わります。

引き上げ前の事業場内の最低賃金

助成率
※()内は生産性要件に該当した場合

900円未満

9/10

900円以上950円未満

4/5(9/10)

950円以上

3/4(4/5)

参照:厚生労働省Webサイト内「業務改善助成金」ページより

また「生産性要件」に該当する場合は補助率が引き上げられます。直近の会計年度で生産性が3年度前より6%以上伸びていることが条件です。また、生産性の伸びが1%以上6%未満であっても、金融機関から一定の事業性評価を受けている場合も認められます。

例えば従業員数が30人以上の事業所が7人を対象に、事業場内最低賃金を30円以上引き上げた場合、助成上限額は100万円となります。助成される金額は、生産性向上のために使った設備投資費用に一定の助成率をかけた金額と助成上限額のうち、どちらか安い方の金額です。

補助金と助成金の違い

上記では補助金をご紹介しましたが、そもそも「補助金」と「助成金」はどこが異なるのでしょうか。

補助金は、国や自治体が政策・事業を行う際に打ち出されるもので、設備投資や事業拡大が対象となります。管轄は経済産業省または地方自治体です。

一方の助成金は、労働者の職を安定させるために打ち出される支援金です。企業の雇用促進や業務・オフィス環境の改善などが対象となります。管轄は厚生労働省です。

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AI開発に補助金を活用するメリット

AI開発を支援する補助金はさまざまありますが、AI開発に補助金を活用すると以下のようなメリットがあると考えられます。

  • コストを抑えながら生産性を高められる
  • AI事業の立ち上げや転換がしやすくなる
  • 自社の課題やAI開発による展望が明確になる

なお補助金申請では綿密な事業計画書が必要です。事業計画書の作成を進めるうちに自社の課題やAI開発における展望が明確になるためなど、事業の解像度が高まることもメリットといえるでしょう。

AI開発に補助金を活用する際の注意点

AI開発に補助金を活用する際の注意点

AI開発で補助金を活用する際、気をつけたい点がいくつかあります。特に以下の3つには注意しましょう。

申請要件が厳しい傾向にある

AI開発に使える補助金は、、数十万円〜数百万円以上の支援を受けられるものがほとんどです。補助金額も多い分、申請要件が厳しい傾向にあります。

企業規模や業績状況など要件となる項目は補助金・助成金によって異なります。その他にも導入できるツールに制限があったり、給与支給総額を一定のパーセンテージ以上にしなければならなかったりと、それぞれ要件が厳しく定められています。

元より無事に補助金を申請できても、採択されない場合もあります。「ものづくり補助金(16次)」を例にあげると、採択率は約49%という結果でした。補助金の種類によっては、もっと採択率が低いものもあります。

AI開発で補助金を申請する際は、要件が厳しい傾向にあること、採択されない可能性があることを念頭に置いておきましょう。

書類準備や採択後の報告業務に工数がかかる

補助金申請では多くの場合、事業計画書や履歴事項全部証明書、納税証明書など複数の書類をそろえる必要があります。

中には採択された後の報告業務が義務化されている補助金も存在します。例えば「ものづくり補助金」の場合、補助事業を終えてから6年間は、事業の状況や損益の数字を報告しなければなりません。

従業員数の多くない中小企業だと、これらに時間と労力を要し、コア業務に集中できない可能性もあるでしょう。

補助金は後払いになる

補助金や助成金は、事業の完了後に交付されるものがほとんどです。後から交付されることを念頭に置いて事業の資金計画を策定しなければなりません。したがって、支給されるまでにかかる費用は自社で用意する必要があることに注意しましょう。

また、補助事業の完了後の手続きに不備があったり、足りない資料があったりすると補助金が減額されてしまうこともあります。可能であれば、ある程度の余裕をもって資金計画を策定しておくことがポイントです。

AI開発補助金の採択率を上げるポイント

AI開発補助金の採択率を上げるポイント

AI開発の補助金・助成金は必ず採択されるとは限りません。最後に、補助金の採択率を高めるコツをご紹介します。

採択事例をリサーチしておく

申請したい補助金の採択事例リサーチしましょう。多くの場合、補助金の公式ページに事例が掲載されています。そこで申請のポイントや大切な要素を知ることができます。

どのような企業が、何を目的に、どのような補助を受けたのか掲載されているので、自社と照らしあわせてみてください。特に同業他社の採択例は参考になるでしょう。

書類の不備をなくす

補助金の申請書類は数が多く内容も複雑なため、書類の不足や記載ミスが発生しがちです。不備があると申請書類が差し戻しになってしまい、期限内に申請が終わらなくなってしまうこともあります。できるだけ早い段階から必要書類を確認することが大切です。

また、各補助金公式サイトで過去に不備が多かった箇所をまとめた資料を出しているケースもあるので、資料がある場合は目を通しておきましょう。

加点項目を満たす

多くの補助金には「加点項目」が定められています。加点項目の条件を満たすことで審査時の点数が加算されるため、採択率にも良い影響が期待できます。

例えば、事業再構築補助金には以下のような加点項目があります。

  • 有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者
  • 創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)
  • 再生事業者
  • デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況

また、加点項目の内容からその補助金の事務局に「どのような事業者・事業計画が求められているか」を読み取って、申請書類の記載を工夫すると良いでしょう。

わかりやすく記載する

補助金の申請書類を書く際は、補助金の事務局の審査員に伝わるように書くことがポイントです。

業界用語や専門用語を使う場合や、業界特有の使われ方をしている用語を使う場合は注釈をいれるなどの工夫をして、正しく伝わるように記載しましょう。マニュアルに沿って記載をしていても審査をする人に内容が正しく伝わらなければ、審査に悪い影響を及ぼすこともあるため注意してください。

補助金申請のサポートや相談窓口を利用する

補助金申請にあたって、申請のサポートや相談窓口を利用するのも手です。例えば以下のようなサポートがあげられます。

  • 商工会議所による相談窓口を利用する
  • 税理士や弁護士などによる申請サポートを利用する
  • 補助金申請自体の代行を依頼する

補助金申請では、税理士や弁護士、行政書士などがサポートを行っているケースも多くあります。そもそも申請をする時間がない場合は、代行業者に申請業務を任せても良いでしょう。

また、システム開発会社の中にも補助金に関するサポートをしている会社や補助金関する知識を持っている会社もあります。システム開発で補助金を利用する場合は、補助金の知識があるシステム開発会社に相談することも手段の1つです。

補助金のサポートをしているシステム開発会社の探し方がわからない方は、システム幹事にお気軽にご相談ください。相談内容にあわせて適した会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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AIを導入するメリット

企業がAIを導入すると以下のようなメリットがあります。

AIを導入するメリット

業務を自動化して人件費を削減できる

AIを導入して活用することで分析や解析、データ整理、資料の作成などの業務を自動化できます。もちろんすべての業務をAIに任せられるわけではありませんが、業務の一部をAIに任せることで社員が他のコア業務に専念できるでしょう。その結果として、トータルの人件費を削減する効果に期待できます。

業務を効率化できる

現在のAIは膨大なデータを利用して学習することで高品質なアウトプットを実現しています。そのため、各業務に特化したAIを利用すれば業務の効率化が可能です。また、AIは人間と違い体調などに左右されずに稼働するため、安定したアウトプットにも期待できます。

さらに、人間とAIが協力して業務を行うことで経験の多くない社員であってもAIのサポートによって一定水準の成果が期待できます。そのため、業務の質を底上げする効果にも期待できるでしょう。

ヒューマンエラーを減らせる

AIを活用すると、さまざまな業務を自動化できます。その結果として、人の手で行う作業が減るため、ヒューマンエラーを減らすことにつながります。

また、映像や音声をリアルタイムに監視して異常を検知するAIを活用すれば、ヒューマンエラーが発生した際に自動検知も可能です。

ただし、AIの導入時にトラブルが発生したり、AIが判断ミスをしたりなど、AIを使うことによって発生するトラブルもあることに注意が必要です。

ノウハウの共有を効率化できる

データを読み込んで案内をするAIを活用すれば、ノウハウの共有も効率化できます。例えば、対話形式で知りたいことを入力すると業務マニュアルや過去のデータから抽出して回答してもらうAIなどがあります。

データ分析や予測ができる

データの整理や分析、予測もAIの得意分野の1つです。特に現在のAIは膨大な量のデータを活用してより高精度な予測をするモデルが続々と開発されています。

また、人間と違い24時間学習させ続けられる点もAIの特徴です。新しいデータを絶えず学習させ続けることで、より早く市場に対応して分析結果・予測結果を出力してくれるでしょう。

効率的な顧客対応ができる

顧客と対話形式でやりとりができるAIを導入すれば、あらかじめ入力しておいた対応しかできなかった従来のシステムよりも効率の良いコミュニケーションが可能です。

また、AIは機械で動くため24時間顧客対応をさせ続けることもできます。AIに対応できる部分はAIに任せて、AIで対応できない場合だけ人の手で対応することで、効率の良い顧客対応を実現できるでしょう。

【まとめ】AI開発で申請できる補助金を紹介しました

ものづくり補助金やIT補助金、業務改善助成金など、企業がAI開発に使える補助金はさまざま。しかし、補助金を申請できても必ず採択されるわけではなく、採択には要件への合致や綿密な事業計画書の作成が必須です。自社のAI事業促進のためにも、ぜひ本記事をお役立てください。

なお、自社にあったAI開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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