- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー アプリ開発
WebViewアプリの開発費用は安い?ネイティブアプリとの違いも解説
アプリの開発でお悩みですか?WebViewアプリは、手軽に複数のプラットフォーム上でWebサイトを表現できます。近年では、スマートフォン上で動作できて開発コストも抑えられるため採用する企業も見られます。本記事では、WebViewアプリの特徴やネイティブアプリとの違い、メリット・デメリットなどについて解説します。
なお、WebViewアプリ開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算を弊社コンサルタントがヒアリングし、開発会社選定についてアドバイスします。相談料は一切無料です。
WebViewアプリとは
WebViewアプリとは「WebView」と呼ばれるコンポーネント(部品)を使ったアプリです。WebViewを使えば、ブラウザを使わずにWebコンテンツを表示できます。つまり、WebViewアプリはWebサイトをアプリの中で表示しているようなもので、HTML、CSS、JavaScriptで開発できるのが特徴です。
ハイブリッドアプリと混同されることがありますが、厳密にはハイブリッドアプリはネイティブアプリ技術(CordovaやReact Nativeなど)とWeb技術(HTMLやJavaScriptなど)の両方を採用したアプリです。こうすることで、Web要素を持ちながらネイティブアプリのようなインタラクティブな操作も実現できるようになります。
WebViewアプリとネイティブアプリの違い
WebViewアプリとネイティブアプリの違いは、スマートフォン上での操作性が異なる点です。どうしてもWeb技術を使ったWebViewアプリだと、ネイティブアプリのように快適な操作性は望めません。
たとえば、ネイティブアプリはOSで定められたUIに準拠したデザインで一貫性がありますが、WebViewアプリは自由です。ほかにも、ネイティブアプリはカメラ機能やGPS、加速度センサーといった機能を活用してユーザー体験を豊かにできますが、WebViewアプリでの実装は複雑になるため現実的には難しいでしょう。
さらに、WebViewアプリはWebサイトを表示するためにインターネット接続が必要不可欠な点も挙げられます。ネイティブアプリはデータをローカルに保存してオフラインでも動作可能ですが、WebViewアプリは,オンラインでの使用を前提としており、オフラインだと使えなくなります。ただし、キャッシュやローカルストレージの活用で限定的にオフライン対応は可能です。
アプリ開発費用の相場
アプリ開発にかかる費用は、規模や複雑さ、必要な機能、選択技術によって大きく異なります。ここでは、一般的なハイブリッドアプリとネイティブアプリの開発費用の相場について見ていきましょう。なお、WebViewアプリのみの開発は例が少ないため、ハイブリッドアプリの開発相場を紹介します。
WebVeiwアプリ(ハイブリッドアプリ)は100万〜
WebVeiwアプリ(ハイブリッドアプリ)の開発費用は、100万円からが一般的な相場です。ハイブリッドアプリはiOSとAndroidの両方に対応できるため、大幅なコスト削減が期待できます。開発するアプリの規模によっては高額になることもありますが、ネイティブアプリでiOSとAndroidに対応するよりは安価に開発ができるでしょう。
ネイティブアプリは500万〜
ネイティブアプリの開発費用は、500万円からが相場とされています。ネイティブアプリが高額になりやすいのは、iOSやAndroid(必要ならWindows Phone)に対応する必要があるためです。もし片方だけ対応するのであれば開発費用は抑えられますが、一部のユーザーにリーチできなくなるデメリットもあります。
アプリ開発費用の内訳
ここで、アプリ開発費用の内訳を見ていきましょう。アプリ開発では以下の項目が大きくコストに関係しています。
開発費用内訳 |
説明 |
エンジニア人件費 |
スキルレベルなどによりますが、一般的には月40万円から200万円程度です。 例えば月100万円のエンジニア3人が 3か月間開発に従事すると人件費だけで900万円です。 |
デザイン費 |
デザインを自社で抱えているシステム開発会社もありますが 外注するケースがあります |
サーバー費 |
サーバーの種類(クラウドサービスまたはオンプレミス)、トラフィック量、 ストレージ要件に応じて異なります。 |
保守運用費 |
アプリの機能改修やOSのアップデート対応などに対応するための費用です。 |
費用はシステム開発会社によって変わりますが、エンジニア人件費が高いと開発費が高騰する傾向にあります。ただしアプリの品質に関わってくるので、実績のあるエンジニアを選ぶといいでしょう。
WebViewアプリに向いているジャンル
WebViewアプリに向いているジャンルは上記のとおりです。もともとWebサイトで利用されてきたジャンルはWebViewアプリでも親和性が高いといえます。
ニュースメディア
ニュースメディアは、最新のニュース記事やコンテンツをリアルタイムで更新し、ユーザーに提供します。WebViewアプリはサーバー側でコンテンツを更新するのが容易であるため、新しいニュース記事を迅速にアプリに反映可能です。
また、ニュースメディアのウェブサイトがすでに存在している場合、そのコンテンツをWebViewアプリで再利用すれば、開発コストと時間を節約できるでしょう。
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアアプリは、ユーザーが生成するコンテンツが中心で、頻繁な更新とリアルタイムのインタラクションが特徴です。WebViewアプリを利用することで、新しい投稿やコメントを即座にアプリに反映させられます。
またユーザーがウェブブラウザでアクセスする場合、モバイルフレンドリーなWebViewアプリを提供してより閲覧時間増加が見込めるでしょう。
オンラインショッピング
オンラインショッピングアプリでは、商品のリスト、価格、在庫状況などが頻繁に更新されます。WebViewアプリを使用すると、これらの情報をサーバー側で更新し、リアルタイムでアプリに反映可能です。
さらに、オンラインショップのウェブサイトをアプリ内に組み込むことで、ウェブとモバイルの両方で一貫したショッピング体験をユーザーに提供できます。
ストリーミング配信
ストリーミング配信アプリでは、新しいビデオコンテンツやライブストリームの追加が頻繁に行われます。WebViewアプリはこれらのコンテンツを即座に反映し、ユーザーに提供するのに適しています。
既存のウェブベースのプラットフォームを、アプリ内で直接利用することも可能です。
WebViewアプリのメリット
WebViewアプリのメリットは一言でいうと「開発効率の良さ」ですが、ここではより具体的に4つのメリットを紹介します。
iOS・Androidの両方で使える
WebViewアプリはHTML、CSS、JavaScriptといったウェブ技術を使って開発できます。そのためWebViewが使えるプラットフォームであれば、iOSであろうとAndroidであろうと機能するのが特徴です。
基本的にiOSとAndroidは動作する仕組みが異なるため、それぞれ開発する必要がありますが、WebViewアプリはiOSやAndroidなど複数プラットフォームにまたがったクロスプラットフォーム開発ができます。ただしプラットフォーム固有の機能やデザインの適応には、ネイティブコードが必要な場合があります。
開発タスクを分担できる
WebViewアプリは、フロントエンド(デザイン)とバックエンド(データ処理)の開発タスクを分離して進められます。Web技術に関する機能はWeb技術者が、ネイティブアプリの機能はネイティブアプリ技術者が担当することで、開発タスクが分担されて効率的に短期間で開発できるのです。各エンジニアが自分の専門分野に集中して開発ができるのは大きなメリットといえます。
対応できるエンジニアが多い
WebViewはWebサイトを表示する技術であり、Webサイトの開発技術はネイティブアプリに比べて広く普及しています。そのため、WebViewアプリなら対応できるエンジニアが多く、開発人員を見つけるのも容易です。
また、Webの歴史はネイティブアプリよりも古く、要件に応じて柔軟に対応するための技術も豊富です。アプリの要件にあわせたエンジニアをアサインできれば、開発効率も高まるでしょう。
更新が容易
通常、ネイティブアプリを更新する場合、例え些細な更新であっても、ストアへの申請をしてアプリの更新をかける必要があります。審査も数日かかります。
しかしWebViewアプリは、Webコンテンツが変更されたとしてもWebViewはただの部品であるため、アプリ上は更新に該当しません。そのため、Webのソースコードをサーバーにアップロードするだけで変更が行えます。ただしアプリのコア機能やネイティブ部分を変更する場合は、通常の更新プロセスを経る必要があります。
WebViewアプリのデメリット
WebViewアプリにはデメリットもあります。実際に開発する場合の参考にしてみてください。
ネイティブアプリより速度が遅い
WebViewは、基本的にWebページをアプリ内で表示するためのブラウザとしての役割を持ちます。つまり、Webページのコンテンツ(HTML、CSS、JavaScript)は、アプリが実行される度にレンダリング(描画処理)される必要があるということです。
レンダリングにはコンテンツのほかにもテキストや画像、動画などをインターネットからダウンロードする必要があるため、通信速度やコンテンツの重さによってはロード時間がかかる恐れがあります。
自由度がネイティブアプリより低い
WebViewアプリは、基本的にWeb技術(HTML、CSS、JavaScript)に依存しています。これらの技術は、ネイティブプラットフォーム(iOSやAndroid)の機能やパフォーマンスに完全にアクセスすることができません。
結果、アプリが使用できる機能やカスタマイズの範囲が制限され、ネイティブアプリに比べて自由度が低くなります。またWebViewアプリはオンラインでの利用を前提として作られているため、オフラインでの利用を想定した機能はデザインしにくい傾向にあります。
WebViewでは実現できない機能がある
WebViewは、デバイスのハードウェア(カメラ、GPS、センサーなど)に直接アクセスできません。そのため、ネティブアプリ技術と併用しながら機能を実現する必要があります。
ほかには、ジェスチャー機能(スワイプやタッチなど)の実現にもネイティブアプリほど簡単に実現できない点も考慮する必要があります。プログラム実装は可能ですが、ジェスチャーに対するレスポンス速度などはネイティブアプリよりも劣る可能性があります。
アプリがリジェクトされやすくなる
仮にWebViewアプリをスマートフォン上に実装した場合、iOSのAppStoreやGoogle Play Storeといったアプリストアの審査で合格できない恐れがあります。アプリストアは、ユーザーに高品質なアプリ体験を提供するために一定の基準を設けているためです。
WebViewアプリでは、機能面やパフォーマンス面、UI面などが基準を満たしていないと判断されやすいのです。少なくともプッシュ通知やジェスチャーなどの基本機能を実装したものが望ましいでしょう。
オフラインで使えない
WebViewアプリは、Webコンテンツをインターネットからダウンロードしてレンダリングする性質上、オフラインでは使えなくなることが多くあります。
WebViewでオフライン機能の実装は可能ですが、多くの機能が制限されることになるでしょう。アプリの用途としてオフライン機能が必要なのかを検討し、ユーザーに適切な体験を提供できるのかを見極める必要があります。
WebViewアプリ開発会社の選び方
WebViewアプリ開発会社を選ぶ際に大事なのは以下の2点です。
1.開発会社の「得意分野」をしっかり見極めること
2.開発会社の「料金の目安」を知っておくこと
開発会社によっては得意な分野が存在します。しっかりWebViewアプリの開発実績があるのかは確認しておきたいところです。また、おおよその相場を理解せずに依頼してしまうと、コストをかけても良いアプリができない可能性もあります。アプリ開発会社を選定する際には注意しましょう。
関連記事:WebViewのおすすめアプリ開発会社2選【2024年3月最新版】
【まとめ】WebViewアプリの開発費用について紹介しました
WebViewアプリは、Webベースのコンテンツを持っているサイトや、これからスマートフォンアプリを低コストで開発したい事業主におすすめです。WebViewの特性を理解し、ユーザーに適切な体験を提供できるのであればWebViewアプリは有効な選択肢になるでしょう。そのためにも、システム開発会社の選定は重要といえます。
なお、WebViewアプリ開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算を弊社コンサルタントがヒアリングし、開発会社選定についてアドバイスします。相談料は一切無料です。
この記事を書いた人
Y.KURODA
専門分野: IT・取材
ITライター兼Web開発者。
元システムエンジニアとしての経験とSEOの知見を活かした記事を執筆しています。ライター業務を効率化するWebサービス『MOJI-KA』を開発・運用中です。