学校 / 校内ネットワーク構築のポイント|学校の特徴・課題を解決するには?

学校 / 校内ネットワーク構築のポイント|学校の特徴・課題を解決するには?

学校 / 校内ネットワークの構築方法は、一般企業と異なるのか?学校ネットワーク構築で留意しておくべきことはなにか?そんな疑問を持つ学校関係者の方に向け、学校ならではの特徴・課題を踏まえた、学校 / 校内ネットワーク構築のポイントを紹介していきます。

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目次
  1. 1. 学校 / 校内ネットワークとは
    1. 1-1. GIGAスクール構想とは
  2. 2. 学校 / 校内ネットワークの特徴 / 課題
    1. 2-1. ネットワークの規模 / 接続数
    2. 2-2. ネットワーク / サーバへのアクセスが集中する
    3. 2-3. 動画を活用した学習活動
    4. 2-4. 教職員 / 生徒でネットワークの利用用途が異なる
    5. 2-5. 学校関係者以外の立ち入りが想定される
    6. 2-6. インターネットへの接続方法
  3. 3. 学校 / 校内ネットワークの構築例
  4. 4. 学校 / 校内ネットワーク構築のポイント
    1. 4-1. 学校ネットワーク構築の目的 / 範囲を明確化
    2. 4-2. 生徒端末との接続は無線LANを推奨
    3. 4-3. 必要なネットワーク帯域を計算
    4. 4-4. 基幹スイッチ(ハブ)とフロアスイッチ(ハブ)
    5. 4-5. ネットワーク認証
    6. 4-6. セキュリティ対策
  5. 5. 【まとめ】学校 / 校内ネットワーク構築のポイントを紹介しました

学校 / 校内ネットワークとは

学校 / 校内ネットワークとは、学校内で利用されるPC / タブレットなどの端末を相互接続し、情報通信 / 共有するコンピューター・ネットワークのこと。生徒向けの教材、共同学習、授業支援に利用されるのはもちろん、生徒の成績 / 通知表管理、事務作業など、教職員にとっても欠かせないインフラです。

ただし、大学 / 専門学校はともかく、小 / 中 / 高校の学校ネットワークの構築 / 整備が進んだのは、2019年以降のこと。文部科学省の目指す教育改革「GIGAスクール構想」の提唱がキッカケです。

GIGAスクール構想とは

GIGAスクール構想とは、義務教育の児童生徒に対し、1人1台の学習用端末と高速ネットワーク環境を整備し、最先端のICT教育を推進する計画のこと。2019年度の補正予算に2,000億円余りが計上され、2021年には多くの学校でネットワーク環境の構築 / 整備が完了しています。

ただし、都市部に比べ、地方の環境整備が遅れ気味なことも事実。義務教育以外の学校法人関係者を含め、学校ネットワークの構築が急務という方も少なくないでしょう。

参考:文部科学省

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学校 / 校内ネットワークの特徴 / 課題

学校 / 校内ネットワークの特徴 / 課題

それでは、学校 / 校内ネットワークの構築方法は、一般企業と異なるのか?実際には、学校ネットワークを構築するために特別な技術や機器は必要ありません。ただし、学校ネットワークには、一般企業とは異なる特徴 / 課題があることも知っておく必要があります。簡単に解説していきましょう。

ネットワークの規模 / 接続数

学校ネットワークの規模 / 接続される端末数は、一般的な社内LAN(Local Area Network)環境よりも大きく / 多くなりがち。教室 / フロア / 校舎、体育館、校庭など、同じ敷地内に複数のネットワークセグメントが必要なこととあわせた学校ネットワークならではの特徴です。

これは、設計が複雑になりがち、ルーター / スイッチ / 端末などの機器管理が煩雑になりがちという、学校ネットワーク構築の課題につながります。

ネットワーク / サーバへのアクセスが集中する

クラス単位で授業を進める学校の場合、ネットワーク / サーバへのアクセスが集中するという課題もあります。これは、教師の指示にしたがって、生徒全員が1つの教材データにアクセスする時間帯があるという授業ならではの特性のため。ネットワーク帯域幅が不足しないよう、設計に気を配らなければなりません。

動画を活用した学習活動

学校ネットワークの帯域幅が不足しがちな課題の要因としては、動画 / ストリーミングを活用した学習活動の活発化という事情もあります。たとえば、動画を含む学校向けコンテンツ「NHK for School」や、YouTubeを活用した教育コンテンツの視聴などが該当。テレビ会議システムを活用した遠隔授業の実施なども、ネットワーク帯域幅を圧迫する要因です。

教職員 / 生徒でネットワークの利用用途が異なる

教職員と生徒では利用用途が異なる、データ共有したくない領域があることも、学校ならではのネットワーク構築の難しさであり課題です。

たとえば、インターネットを活用した授業を実施する場合でも、生徒向けに関連コンテンツ以外の視聴を制限する仕組みが必要。テストの採点結果や成績は生徒と個別に共有する必要があるものの、学校全体での共有は避けなければなりません。

つまり、生徒向け、教員向け、事務職員向けに、ネットワークセグメントを分離する仕組みが必要。閲覧できるWebサイトをフィルタリングするなど、コンテンツ視聴を制限する仕組みも必要です。

学校関係者以外の立ち入りが想定される

オープンキャンパスの実施される大学を筆頭に、父兄や業者など、学校関係者以外の立ち入りが想定されることも学校 / 校内ネットワーク構築で注意しておきたい特徴です。セキュリティの観点からも、フリーでネットワークに接続できる環境は避けなければなりません。課題を解決するためにも、ネットワーク認証の仕組みが必要です。

インターネットへの接続方法

課題というわけではありませんが、学校ネットワークならではの特徴として挙げられる要素に「インターネットへの接続方法」も挙げられます。

一般企業と同様、校内のルーターからISP(インターネットプロバイダ)へ直接接続するパターンもありますが、センター集約型を採用する学校も少なくありません。たとえば、地域に所属する複数の学校が、教育委員会のセンターへVPNで接続し、センター経由でインターネット接続するなど。学校の方針に応じていくつかの選択肢が存在します。

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学校 / 校内ネットワークの構築例

こうした学校 / 校内ネットワークならではの特徴を踏まえ、文部科学省では「GIGAスクール構想」に基づいた学校ネットワーク構築例を公開しています。

学校 / 校内ネットワークの構築例

画像出典:文部科学省

学校 / 校内ネットワーク構築のポイント

学校 / 校内ネットワーク構築のポイント

それでは、特徴や課題を踏まえ、適切な学校 / 校内ネットワークを構築するには、どのようなことに気をつけておくべきなのか。文部科学省のガイドラインも参考にしながら、学校ネットワーク構築の主なポイントを紹介していきましょう。

学校ネットワーク構築の目的 / 範囲を明確化

学校ネットワーク構築の目的、および適用範囲を明確にしましょう。ある分野の教育 / 学習に特化した専門学校と、義務教育を提供する小中学校では、校内ネットワークを構築する目的も適用範囲も異なるから。特に小中学校は、地域の教育委員会との方針のすりあわせが必要です。

生徒端末との接続は無線LANを推奨

1人1台端末、教室間の移動、動画を活用した教育 / 学習という観点から、学校ネットワークと生徒端末との接続には無線LANが推奨されています。つまり、1教室あたりの収容人数にあわせた、高速な無線アクセスポイントが必須。将来的な生徒数の増減に対応できるよう、余裕を持たせたネットワーク設計が必要です。

必要なネットワーク帯域を計算

ストレスのない教育 / 学習を実現するため、余裕を持ったネットワーク帯域幅を確保しておく必要があります。そのためには、授業 / カリキュラムの内容を踏まえ、必要なネットワーク帯域を計算しておくことが重要。

学習コンテンツを利用するのに必要な帯域、同時利用する端末数をもとに、教室ごと、フロアごと、学校ごとに必要なネットワーク帯域幅を計算しておきましょう。

学習コンテンツの例

端末1台あたりのネットワーク帯域目安

遠隔授業(テレビ会議)

2.0Mbps

NHK for School

0.7Mbps

YouTube(720P)

2.5Mbps

基幹スイッチ(ハブ)とフロアスイッチ(ハブ)

基幹スイッチ(コアスイッチ)とは、学校ネットワークの中心部に配置されるスイッチングハブのこと。L3スイッチとも呼ばれ、ネットワーク内部のデータ転送 / 中継を担う重要なネットワーク機器です。

一方のフロアスイッチとは、校内各フロアや教職員スペースに設置され、基幹スイッチを中継して転送されたデータを無線アクセスポイントに分配するハブのこと。L2スイッチとも呼ばれます。

つまり、高速でストレスのない学校ネットワークを構築するには、適切な基幹スイッチ / フロアスイッチを選定することがポイント。フロアスイッチは設置されたフロアの教室すべてのネットワーク帯域を、基幹スイッチは学校すべてのネットワーク帯域を担保できなければなりません。

たとえば、基幹スイッチには、40G b/psのオプションカードを追加できる「Apresia NP500-48TX」などの大容量スイッチが必須。フロアスイッチにも、10G b/psに対応するLANポートが最低1つは必要です。

Apresia NP5000-48TX

Apresia NP5000-48TX

画像出典:Apresia

ネットワーク認証

関係者以外の立ち入りが想定される学校では、校内ネットワークへの接続を厳密に制限する必要があります。一般的には、端末固有のMACアドレスで接続制限する学校が多いようですが、専用機器によるネットワーク認証を導入するケースも増えています。

たとえば「Apresia Account Adapter+」なら、複数のアクセス制御機能を搭載し、管理者の負担を軽減する「申請ワークフロー」も利用できます。MACアドレス制御にも対応するため、従来の業務フローを大幅に変更することなく導入可能です。

Apresia Account Adapter+

Apresia Account Adapter+

画像出典:Apresia

セキュリティ対策

WAN(インターネット)接続方法がそれぞれ異なる学校の場合、学校ごとの適切なセキュリティ対策が必要です。具体的には、ファイアウォール / IDS / IPSの設置ポイント。校内のルーターから直接ISP(インターネットサービスプロバイダ)へ接続するパターンのほか、SINETや教育センターへVPN接続するパターンもあるからです。

センター集約型を採用する学校であれば、ファイアウォールなどの設置ポイント、管理責任を明確にしておく必要があります。

※SINETとは、日本全国の大学、研究機関などの学術情報基盤として利用されている独立ネットワークのこと

SINET

画像出典:文部科学省

【まとめ】学校 / 校内ネットワーク構築のポイントを紹介しました

学校 / 校内ネットワークの構築方法は、一般企業と異なるのか?学校ネットワーク構築で留意しておくべきことはなにか?そんな疑問を持つ学校関係者の方に向け、学校ならではの特徴・課題を踏まえた、学校 / 校内ネットワーク構築のポイントを紹介してきました。

なお、ネットワーク構築会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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