- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー AI開発
介護業界でのAIの活用法は?介護×AIの現状や事例を紹介【2024年最新版】
人手不足が慢性化する介護業界において、介護スタッフの負担軽減や業務効率化の手段としてAIや介護ロボットの導入が期待されています。本記事では、以下の内容について解説します。
- AI、ICT、ロボットの違いは?
- 介護分野でのAI活用の現状の課題とは?
- 介護の分野で導入されているAIの事例を知りたい
また、介護業界でどのようなAIが利用できるかやAIを導入するメリットも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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介護業界でのAIとは?
AI(Artificial Intelligence、人工知能)とは、人間の知能のように外部の情報を処理し、自ら判断・推測できるシステムのことを指します。
一般的なシステムと違い、AIには機械学習という技術が備わっています。業務に関する膨大なデータをAIが自ら学習しているため、基本的に人間の指示なしでも業務遂行が可能です。
介護業界では、入居者の動きを検知して異常の可否を判断したり、入力データをもとにケアプランを作成したりといったAIがすでに活用されています。
なお、AIと並んでよく使用される用語に「ICT」と「介護ロボット」の2つがあります。それぞれの概要は以下の表の通り。
AI |
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ICT |
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介護ロボット |
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AIとICT、介護ロボットの違いについて、より詳しく紹介します。
AIとICTの違い
ICTは「Information and Communication Technology」の頭文字を取った略称。日本語では「情報通信技術」と訳されます。
介護分野におけるICTとしては、たとえば記録作成ソフトや情報共有システム、スタッフ同士のコミュニケーションツールなどがあげられます。
ICTにはAIのような判断・推測する機能はないため、厳密にはAIとは呼べません。しかし、介護業務の効率化施策の一環として、AIと一緒に語られることが多いでしょう。
本記事でも、事例紹介でICTシステムを一部紹介します。
AIと介護ロボットの違い
介護ロボットは、介護作業を補助するロボットを指します。
厚生労働省のサイトでは、以下の3つの機能を有している機械システムのうち、介護スタッフの負担軽減や利用者の自立支援に役立つロボットを「介護ロボット」と定義しています。
- 情報を感知(センサー系)
- 判断し(知能・制御系)
- 動作する(駆動系)
一般的なロボットは、あらかじめプログラムされた動作のみを行い、AIのように学習はしません。正常に稼働させるには、事前の環境設定や操作が必要です。
ただ、介護のようにルーティン化が難しい業界では、状況判断ができるAI搭載型ロボットの開発が進んでいます。
AIでどんなことができる?
介護業界にAIを導入すると、主に以下のようなことができます。
ケアプランの作成支援
利用者の情報をもとに身体の状態を分析・予測し、ケアプランを提案してくれます。システムによっては利用者の今後の状態予測を見られるものもあるため、ケアプランの作成に役立ちます。
送迎業務の効率化
利用者の家の位置、道路の状況、その他の情報をもとに効率の良い送迎ルートを提案してもらえます。システムによっては作成した送迎計画をスマートフォンに転送できるため、ドライバーに共有する手間も軽減可能です。
見守り・モニタリング
利用者の行動を映像で監視・分析し、異常な行動を検知したらスタッフに通知をしてくれます。利用者のプライバシーを保護しつつ、異常の早期発見に役立ちます。
また、スタッフの見回り回数を減らして負担を軽減する効果にも期待できるでしょう。
利用者とのコミュニケーション支援
高齢者と会話をしたり動きでコミュニケーションをとったりして、レクリエーションをサポートしてくれます。人や動物の形をしたロボットやぬいぐるみにAIを搭載しているケースが一般的です。
ロボットによる除菌清掃
除菌清掃用のロボットにAIを搭載することによって、自動的に効率の良いルートを生成して除菌清掃をしてくれます。高性能なものになるとエレベーターの自動昇降機能が搭載されており、フロアをまたいで稼働させることも可能です。
介護業界でAIが注目される背景
介護業界でAIが注目される背景には、日本の抱える少子高齢化問題が密接に関わっています。
ここで、介護業界でAIが注目されている背景を整理しましょう。主な問題は以下の3つです。
少子化による深刻な人手不足
厚生労働省の試算によると、介護スタッフ数は2026年度に約25万人、2040年度には約57万人が不足するとされています。(令和6年7月12日に第9期介護保険事業計画の介護サービス見込み量などにもとづいて都道府県が推計したデータによる)
介護職は低賃金・高負荷の仕事としてネガティブなイメージが強く、介護の担い手不足はすでに深刻な状況です。厚生労働省の「令和6年版 労働経済の分析」でも、小売・サービス業と並んで介護は深刻な人手不足になっている分野と認められています。
スタッフ不足を補うとともに、仕事の負荷を軽減して担い手の裾野を広げるためにも、AIを含めたIT技術の導入が必要とされています。
介護が必要な高齢者の増加
内閣府が発表した「令和6年版高齢社会白書」によると、令和5年10月1日時点の日本の総人口は1億2,435万人でした。なかでも65歳以上人口は3,623万人であり、高齢化率は29.1%となっています。
試算によると、高齢者の人口がピークを迎えるのは2043年。2037年には、高齢化率が33.3%になり国民の3人に1人が65歳以上になると見込まれています。20年先まで続くであろう介護ニーズの増大や社会保障費の負担増に対応する、介護現場の効率化は喫緊の課題です。
マンパワーによる効率化では追いつかず、AIによる抜本的な業務改善が求められています。
国や自治体による導入の後押し
介護の担い手不足を改善すべく、国や自治体も介護ロボットやICT導入を促進しています。
たとえば経済産業省と厚生労働省は「ロボット技術の介護利用における重点分野」を定め、介護ロボットを開発する側と、ロボット・ICT技術を導入する側の双方に対して補助金・助成金制度を設けています。
また、厚生労働省は2021年よりニーズ・シーズマッチング支援事業をスタート。介護現場の課題(ニーズ)と、開発企業が保有する製品や要素技術(シーズ)とのマッチングにも取り組んでいます。
2024年には「ロボット技術の介護利用における重点分野」を改訂し「介護テクノロジー利用の重点分野」に変更しています。追加された分野は以下の3つ。
- 機能訓練支援
- 食事・栄養管理支援
- 認知症生活支援・認知症ケア支援
また、移乗支援や排泄支援、見守り・コミュニケーションなどの定義も見直されています。このことから、介護分野でのロボットやICT機器の導入がより重点的に促進されていくことが見込まれます。
介護業界でAIを導入するメリット
介護業界でAIを導入するとさまざまなメリットがあります。主なメリットは以下の4つ。
以下で各項目のメリットを解説します。
人手不足の解消
介護業務にAIを導入することでスタッフの作業を減らしたり効率化したりできるため、人手不足の解消につながります。
AIの活用例を挙げると、以下のようなことができます。
- AIを搭載した自律型のロボットで物を運搬
- カメラ映像をAIで解析して異常を検知・通知
- AIで送迎ルートを最適化して送迎に必要な人員を削減
- 音声会話ができるAIで夜間受付に対応
- 高齢者とのコミュニケーションをAIが対応
介護スタッフの負担軽減
AIを活用して業務をサポートしてもらうことで、介護スタッフの負担を軽減する効果があります。
例えば、利用者の過去・現在の状況を入力するとケアプランを提案してくれるシステムを利用すれば、ケアプランの作成業務の負担を軽減できます。また、データを自動的に収集して分析してくれるAIを利用すれば、事務作業の一部を自動化できるため業務負担を減らせます。
事務作業の他では、AIによって姿勢を検知できる移乗支援ロボットを利用すると体力のないスタッフでも移乗支援(車椅子やベッド、浴槽などの移動の支援)が可能です。
介護サービスの対応速度の向上
AIを活用することで利用者の状態を24時間体制でチェックしたり、確認作業にかかる時間を短縮したりできます。
カメラの映像と連携したAIで24時間利用者の状態を検知して、異常が発生したらすぐに通知をしてもらえれば、素早い対応が可能です。
また、事務作業などの一部をAIに肩代わりしてもらうことによって介護スタッフの手をあけられるため、急な対応が必要になった場合でも素早く対応できるでしょう。
介護サービスの質の向上
AIを導入すると業務を自動化したり効率化したりできるため、介護サービスの質の向上にもつながります。
例えば、AIの監視システムを利用すれば見回りや事務作業の手間を減らせるため、介護スタッフを利用者とのコミュニケーションなどに回すことができます。
ほかにも、ケアプランの作成支援システムを利用すれば、過去のデータや現在のデータなどから利用者に適したプランを提案してもらえます。
なぜ普及しない?AI活用の課題
深刻な人手不足に陥っている介護業界において、AIやロボット、ICTの導入は大きなメリットがあります。
しかし、令和3年に長崎県福祉保健部が行った調査によると、介護現場でロボットやICTを導入している事業所は41.3%。「導入を検討中」や「今後導入を検討」との回答は多いものの、未導入のところが半数以上といった結果でした。
導入に踏み切れない理由から、介護業界におけるAI活用の課題を見てみましょう。
導入コストが高い
長崎県の調査結果では、ロボットやICT技術を導入しない理由について7割の事業所が「導入コストが高い」と回答。導入コストについては令和2年度介護労働実態調査においても同様の声があがっています。
とくに量産化が難しい介護ロボットは、導入に数十万から200万円前後のコストがかかるものもあります。
導入後の運用に不安がある
AIに限らず、新しいシステムを導入する際には使用するスタッフへの教育が必要になります。そのため、教育コストに加え、システム変更にともなう作業効率の一時的な低下は避けられません。
さらに、介護現場では高齢のスタッフも多く、新しい技術に抵抗があるとの意見も見受けられます。
とはいえ、介護現場ではAIやロボットが代替できない作業も多くあります。清掃ロボットや見守りシステムのように、人の手で行う必要性や教育負担が小さいものから検討するのがよいでしょう。
誤作動・事故の可能性がある
介護現場では、利用者の安全と健康が最優先です。誤作動や故障で事故が起こらないかという不安も、AI活用が進まない理由の1つと見られます。また、介護は人の手で行うものだという価値観も根強く残っています。
しかし、ヒューマンエラーが大きな事故につながるケースもあるため、一概に人の手で行うのが安全とも言い切れません。
AIの安全性に不安がある場合は、除菌清掃ロボットやコミュニケーションロボットなど、誤作動があっても利用者の安全に影響しないものから導入するのがおすすめです。
介護業界で活用されているAIシステム
実際に介護現場で活用が進んでいるAIシステムを、次の5種類にわけて紹介します。
- 見守りシステム
- ケアプラン作成システム
- 送迎業務の支援システム
- 除菌清掃ロボット
- コミュニケーション・ロボット
見守りシステム
見守りシステムとは、利用者の状況をセンサーで監視し、異常を検知するシステムです。スタッフの見回り業務の負担軽減と、利用者のプライバシー保護の両方を実現できます。
居室人感センサー「LASHIC-room」
画像引用:LASHIC-room
おすすめポイント
・24時間危険や異変を見守る機能
・簡易センサーを設置するだけで導入可能
・使いやすく安く使用できる
LASHIC-roomはインフィック株式会社が提供する居室センサーサービスです。
部屋にセンサーを設置することで24時間危険や異変を察知。何かあれば、通知先に設定したスマートフォンにいれたアプリに通知がきます。温度や湿度、明るさや動きから検知し、現在の様子やこれまでの動きを確認することも可能です。また、同じような製品の中では安価な点も特徴の1つです。
インターネット環境がなくても機械に挿すだけで使える通信端末もレンタルしています。
AI搭載介護支援ロボット「アイオロス・ロボット」
おすすめポイント
・服装やマスクの影響を受けずに人物特定ができる
・自律走行タイプでドアやエレベーターの開閉が可能
・人の姿勢から「座っている」「倒れている」などの状態を認知できる
Aeolus Robot(アイオロス・ロボット)は、丸文株式会社が代理店を務めるAI搭載型の自律走行ロボットです。
AIにより施設利用者の顔や姿勢を検知。「倒れている」などの異常状態を認知できるため、施設内の巡回業務に活用できます。事前に登録(約10万個まで)しておくことで、物体の識別も可能です。
また2本のアームでドアの開閉やエレベーターのボタン操作もできるため、グリッパーの装着で施設内の除菌作業も任せられます。
ケアプラン作成システム
ヒアリングした利用者情報をもとに、ケアプランの作成をAIが支援するシステムです。人の手で全て作成するよりも、作成業務を効率化できます。
ケアマネジメント支援サービス「SOIN」
画像引用:SOIN(ソワン)
おすすめポイント
・データにもとづいた客観的な提案で業務効率化を支援
・プランは「改善志向」と「状態の最も近い方」の2パターンを提案
・プラン利用による状態予測が可能
SOIN(ソワン)は株式会社シーディーアイが提供するケアプラン作成支援システムです。
利用者の情報を入力すると、AIが過去のデータをもとに「改善志向プラン」と「状態が最も近い方のプラン」の2つを提案。ケアマネジャーはSOINの提案内容を参考に、利用者にあったケアプランを作成できます。
アセスメント支援機能では過去のデータを活用してAIが分析してくれます。利用者の持つ疾患や状態の悪化を防止したい項目に対するアセスメントを提案してくれるので、アセスメントの抜け漏れの防止に活用可能です。
また、プラン利用による利用者の今後の状態予測も見れるため、利用者にとっても納得感のあるプラン作成が期待できます。
ケアプラン作成支援AI「ミルモぷらん」
画像引用:ミルモぷらん
おすすめポイント
・利用者に関連のある疾患情報を提示できる
・地域ケア情報データベース「ミルモネット」と連携可能
ミルモぷらんは株式会社welmoが提供するケアプラン作成サービスです。
利用者情報を入力すると、ケアプランが文言付きで提案されます。文章を考える負担が軽減でき、短時間で質の高いプランを作成できます。
また、入力した情報から関連する疾患情報を検索し画面に提示するため、ケアマネジャーの学習の効率化にも活用できるでしょう。
さらに、welmoの地域ケア情報データベース「ミルモネット」との連携で、利用者にあった事業所探しも可能です。
送迎業務の支援システム
介護施設利用者の送迎業務を支援するAIシステムも開発されています。
各利用者の制約条件から効率的な送迎ルートが提案されるため、日々の送迎計画に割いていた時間を短縮できます。
送迎表作成システム「DRIVEBOSS」
画像引用:DRIVEBOSS(ドライブボス)
おすすめポイント
・各利用者の制約条件に対応した送迎計画と送迎ルートを自動作成
・スマホに送迎計画を転送してルート案内ができる
・ドライバーごとの運転状況や様子の記録と評価が可能
DRIVEBOSS(ドライブボス)はPanasonicが提供する送迎支援サービスです。
利用者ごとの制約条件を入力すると、ボタン1つで送迎計画が自動作成されます。制約条件は「直前連絡の要否」や「同乗不可の利用者」など細かい部分まで入力可能です。
さらに、道に不慣れなドライバーでも安全に送迎できるよう、スマホでのルート案内にも対応しています。
こちらのサービスでは、送迎計画の作成機能のみのプランと、スマホ連携機能付きのプランのいずれか選択できます。
除菌清掃ロボット
除菌清掃ロボットとは、すでに家庭で活躍しているAIロボット掃除機の業務版です。介護施設内を自動走行し、スタッフの代わりに清掃や除菌作業を行います。
除菌清掃ロボット「Whiz」
画像引用:Whiz(ウィズ)
おすすめポイント
・簡単な操作で遠隔管理できる
・あらかじめ指定したエリアを自動で除菌・清掃
・AIが障害物を検知し、回避や一時停止などの対応が可能
Whiz(ウィズ)はソフトバンクが提供する、業務用の屋内除菌掃除ロボットです。世界出荷台数は30,000台(2024年3月時点)を突破し、介護施設への導入実績もあります。
清掃エリアを指定すると、自動で清掃ルートが生成されます。AIがリアルタイムで障害物を検知するため、施設内の環境が変化しても対応できます。
また、人が掃除機を使って清掃したときよりもダストの舞い上がりを軽減できるとのことです。
除菌清掃ロボット「CL02」
画像引用:CL02
おすすめポイント
・清掃ルートの指定が可能
・作業エリアのゴミ分布マップを生成できる
・フロアをまたいだ作業も可能
CL02はサイバーダイン株式会社が開発した除菌清掃ロボットです。あらかじめルートを設定するモードと、ロボットが自動でルートを生成するモードの2つが選べます。
搭載された3DカメラでAIが障害物を自動で検知します。オプションでエレベーターの自動昇降機能が付けられるため、フロアをまたいでの清掃作業も可能です。
コミュニケーション・ロボット
利用者とコミュニケーションができるAIロボットです。介護スタッフに代わって利用者に楽しみや安らぎを提供し、心のケアを行います。
人型の会話ロボット「Pepper」
画像引用:Pepper(ペッパー)
おすすめポイント
・受付や見守りサポートなどで活用できる
・豊富なレクリエーションは可能
・利用者ごとのレク効果や活動状況も可視化できる
Pepper(ペッパー)はソフトバンク株式会社が提供する人型コミュニケーションロボットです。人間の子どもくらいのサイズで、飲食店や病院などでも受付に導入されています。
介護施設向けのレクリエーションアプリや顔認証アプリが用意されており、大勢向けのレクリエーションから個人レクリエーションまで任せられます。施設の利用者にあわせて独自のアプリを開発して利用することも可能です。
また各利用者のデータを自動で蓄積するため、レクの効果や活動状況をスタッフが効率よくチェックできます。
セラピーロボット「PARO」
画像引用:PARO(パロ)
おすすめポイント
・本物の動物のような反応をする
・アニマル・セラピー効果が確認されている
・国内外のさまざま様々な施設で導入実績あり
PARO(パロ)は株式会社知能システムなどが販売しているセラピーロボットです。アザラシの赤ちゃんを模したぬいぐるみ形状のAI搭載ロボットで、本物の動物のように動き、接し方で反応が変化します。
PAROはアニマル・セラピーと同じような効果を得られると確認されており、2002年には“最もセラピー効果があるロボット”として世界ギネス記録にも認定されました。
本物の動物と触れあうことが難しい介護施設においても、利用者のメンタルケアやコミュニケーション促進を目的に導入されています。
介護業界でのAI活用の将来性
介護業務に活用できるAIは実証実験がされているものも多いため、ある程度の信頼性があります。それでも、AIに対する不信感を持っている人や「人の手で介護されたい」と思う人も居るでしょう。
また、AIを使うスタッフにもAIを利用するための知識や経験を蓄積しなければならないという課題もあります。AIを活用しながら現場のスタッフや介護を受けている人の声を聞いて、どうAIの活用方法に反映させていくかが今後の課題となるでしょう。
一方で、介護業界の人手不足に対応するために、国や自治体が介護に利用できるAIやロボットに補助金を出しているという事実もあります。
内閣府の「令和6年版高齢社会白書」や厚生労働省が出している厚生労働省の「令和6年版 労働経済の分析」でも、今後の介護業界の人手不足は予測されています。その人手不足への対策の1つが、介護ロボットへの補助金です。
このことから、国や自治体はAIシステムやAIを搭載したロボットを介護業界に導入することを後押ししているとも考えられます。よって、介護業界でもAIやAIを搭載したロボットの開発や導入が増えていくことが予想できるでしょう。
介護にAIを使うことが当たり前の時代がきたときのために、今からAIを導入して活用するノウハウを蓄積していくのも良いかもしれません。
【まとめ】介護業界のAIについて紹介しました
介護業界でのAI活用について紹介しました。
少子高齢化が深刻化するなかで、介護スタッフの負担軽減や業務効率化を目的にAIの活躍が期待されています。
費用面や安全面で本格的な普及にはまだ課題が残るものの、すでに介護施設で導入実績のあるAI搭載ロボットやシステムも増えつつあります。
とはいえ、いきなりAIシステムを導入するとなると、ハードルが高く感じる方も多いでしょう。「システム導入はなにから始めればいいの?」「システム開発の費用はどれくらいかかるの?」とお悩みの方は、ぜひシステム幹事にご相談ください。
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岩田
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Q. 介護業界でAIが普及しない理由は?
介護業界でAIが普及しない理由として「導入コストが高い」「導入後の運用に不安がある」「誤作動・事故の可能性がある」等が挙げられます。詳しい内容は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人
Y.KURODA
専門分野: IT・取材
ITライター兼Web開発者。
元システムエンジニアとしての経験とSEOの知見を活かした記事を執筆しています。ライター業務を効率化するWebサービス『MOJI-KA』を開発・運用中です。