- 更新日 2023.12.13
- カテゴリー システム開発
IoTとは?ICTとの違いや活用例を簡単にわかりやすく解説
業務効率化や生産性向上を検討する上で、以下のようなことにお悩みではないでしょうか?
・IoTが有効と聞くが、具体的にどういうことなのかイメージがわかない
・業務効率化を達成できるほどの費用対効果があるのかわからない
・ICTという言葉も聞くがなにが違う?
そこで本記事では、各ホームページをチェックした上で、IoTでできることやICTとの違い、活用の具体例をまとめました。IoTの導入イメージがわくように、業界ごとの事例も整理しています。
なお、IoTの導入方法がわからない!という方はお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な企業を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
IoTとは?
IoT(Internet of Things)とは、「さまざまなモノがインターネットにつながる仕組み」のこと。日本語では「モノのインターネット」とも呼ばれます。パソコンやスマートフォンだけでなく、冷蔵庫やエアコン、テレビ、車などのモノがインターネットに接続され、データをやり取りする仕組みを指します。
様々なモノがインターネット接続されると、生活や仕事がより便利になります。たとえば、スマートフォンでエアコンを遠隔操作すれば、家に帰る前に部屋を暖めておくことが可能。ほかにも、農作業においてGPSやセンサーを取り付けたトラクターが効率的かつ正確に畑を耕すなど、IoTの活用は生活や仕事に大きな変化をもたらします。
ICTとの違い
ICTはヒトとヒトをつなぐのに対し、IoTはモノとモノをつなぎます。ICT(Information and Communication Technology)は、情報技術(IT)と通信技術(CT)を統合した概念です。一般的に「ICT」といった場合、以下のような意味が内包されています。
- ヒト同士の情報の伝送
- ヒト同士の情報の処理
- ヒト同士の情報の保存
- ヒト同士の情報の共有
上記のように、ヒトとヒトがデータ通信でつながることをイメージさせます。一方で、IoTはモノとモノがデータ通信でつながるという点で2つは大きく異なる概念といえるでしょう。
IoTができること
IoTを活用すると、モノ同士がインターネットを通して様々な情報を伝達できます。以下が代表例です。
モノを操作する
IoTは、遠隔地にあるモノを操作できます。たとえば、以下のようなことが可能です。
- 外出先からスマートフォンやタブレットを使用してエアコンを制御する
- 見守りカメラを通じて遠隔地のペットの状態を確認する
- 必要に応じて食事を提供する
さらに、自動的にドアやシャッターを開閉したり、電化製品の電源を遠隔から制御したりすることも可能。人間が現場に入るのが難しい環境であっても、インターネット接続さえ確立していれば操作できます。
モノの状態を知る
IoTは、モノの状態をリアルタイムに検知できます。具体的には、温度、湿度、明るさなどの周辺環境データが収集可能です。これにより、以下のような活用ができます。
- 離れた場所からオフィスの温度・湿度を確認する
- 室内の明るさをセンサーで検知する
また、工場機械に人感センサーを活用すれば、機械装置が人にぶつかりそうになるのを検知し、直前で停止できるようにするなど、安全管理でも応用可能です。
モノ同士が通信する
IoT機器同士がインターネットでつながることで、自動的に連携します。たとえば以下のようなことが可能です。
- スピーカーと照明器具を連携させて、言葉で消灯や照度を調整する
- ウェアラブルデバイスが患者の状態を常時チェックし、かかりつけ医が遠隔から健康状態管理をする
- 車両が周囲の障害物にぶつかりそうになるのを検知して、自動的に急ブレーキをかける
システム同士がインターネットを通じて自動連携することで、人が作業をしなくてもよくなります。
IoTに必要な技術要素
では、IoTを実現するにはどのような技術要素が必要になるのでしょうか。
高速通信網
IoTが機能するためには、高速通信網が必須です。多くのIoTデバイスはセンサーを備えており、様々なデータを収集します。収集されるデータのなかには画像、動画、センサーデータなども含まれるため、膨大なデータを即座に送受信できる高速通信網は必要不可欠なのです。
たとえば、医療で使われるウェアラブルデバイスでは、処理にリアルタイム性が求められます。刻々と変化する患者の容態の変化を見逃さないためにも、データの遅延などは可能な限り減らすことが望ましいでしょう。
ナローバンド無線
ナローバンド無線は、IoTデバイスが通信するために用いられる通信技術の1つです。ナローバンド無線の特徴として、省電力であることが挙げられます。ナローバンド無線を使えば、IoTデバイスは通信時の電力消費を最小限に抑え、バッテリー寿命を延ばすことが可能になるのです。
また、ナローバンド無線は低い周波数を使用するため、信号が遠くまで到達しやすく、建造物などの障害物があっても比較的強い信号を維持できます。そのため、広範囲に通信を提供し、農地や都市などの広がりのあるエリアでの利用も可能となります。
IoTを活用した具体例
ここからは、IoTを活用した技術の具体例を紹介します。
コネクテッドホーム
コネクテッドホームは、多くの家電がインターネットにつながっている住宅です。代表例は以下の通りです。
- エアコン
- 冷蔵庫
- 照明
- ドアの鍵
あらゆる家電がインターネットにつながっていることで、遠隔で家電を操作できるようになります。たとえば、ドアの鍵をスマートロックにすれば、鍵を持たずにスマートフォンから施錠・解錠が可能。オートロックなので施錠忘れを不安に思うこともありません。
ほかには、遠隔でエアコンを操作できるエアコンなら、帰宅の少し前からエアコンを付けておけば、家に着く頃には快適な室温にできます。
ウェアラブルデバイス
ウェアラブルデバイスとは、身につけられる小型の電子機器のこと。代表的なものでいえば、スマートウォッチが挙げられます。スマートウォッチは時計の機能以外にも、腕の脈拍を測り、健康状態をモニタリングしてくれます。
さらに、心拍数や歩数、睡眠の質などをリアルタイムでトラッキングし、健康管理をサポート。データを取りながら分析もしてくれるので、日常の活動量や睡眠の改善に役立ちます。近年では、道路のナビゲーションができるスマートグラスや、決済機能を持つスマートリングなどが続々と登場しており注目を集めています。
無人決済店舗
IoTを活用した「無人決済店舗」も数を増やしてきています。「無人決済店舗」は従来の店舗とは違い、人がレジに立つことなくスムーズにお買い物ができる新しい形態の店舗です。無人決済店舗では、センサーやカメラ、IoTデバイスなどが連携し、商品の取り扱いやユーザーの動きを把握します。
ユーザーの店内での動きはすべてデータ化され、人気の棚や消費傾向を分析、商品の陳列などにも役立てられます。さらに、商品を専用の端末やスマートフォンで読み取りながら買い物をし、最後は合計金額を支払うだけというものもあります。
こうしたIoTの活用は、レジに長蛇の列ができにくく、ユーザーがストレスなくお買い物をできる新たな消費体験を生み出しています。
カーシェアリング
IoTの進化により、カーシェアリングが一段と便利でスマートなものになりました。カーシェアリングは、車を共有利用するサービスで、新しいカーライフの形として普及が進んできました。
IoTを活用したカーシェアリングでは、専用のアプリをスマートフォンにインストールすることで、手軽に車を予約できます。アプリ上で利用可能な車種や料金、利用可能エリアが確認できるため、利用者は自分のニーズにあわせて選べるのが特徴。
さらに、予約が確定するとアプリを使用して車を開錠してエンジンをかけることもできます。物理的な鍵やカードは不要で、利用者はスマートフォンだけでカーシェアリングの車を利用できるのです。
返却も指定のエリアに車を返却するだけ。アプリ上で返却手続きを完了すれば、自動的に車が施錠されます。これにより、手間のかからないスマートな返却が実現されています。
スマートグリッド
スマートグリッドは電力の分野でIoTを活用した進化を遂げ、持続可能で効率的な電力の供給を実現しています。電力メーターがIoTセンサーと連携し、電力使用量や発電状況をリアルタイムでモニタリング。電力会社は効果的な運用計画を立て、利用者は自身の電力使用状況を把握できます。
また、スマートグリッドには障害が発生した際にも即座に対応できる仕組みがあります。IoTセンサーが障害を検知し、自動的に他の経路に電力供給を切り替えるのです。人が障害に気づくのが遅れれば遅れるほどインフラが止まってしまいますが、IoTを使えば安定的に電力供給が可能です。
スマート工場
スマート工場は、IoT技術を駆使して製造プロセスを効率的かつ効果的に進化させたものです。これにより、製造業は新たな次元に突入し、生産性の向上や品質の向上が期待されています。
スマート工場では、IoTセンサーが工場内の機械や生産ラインに取り付けられ、リアルタイムでデータを収集。製造プロセスの様々な側面を即座にモニタリングし、問題が発生する前に予測・対処できます。機械の状態を常にモニタリングすることで、故障の前兆(振動・異音など)を検知することも可能です。
業界ごとのIoTの活用事例
最後にIoT業界ごとのIoT活用事例を3つご紹介します。
農業
なり手不足が叫ばれる農業は、IoTの力で効率化が求められる業界の1つです。
- 土壌センサーを使い、土壌の湿度、栄養状態、温度などをリアルタイムでモニタリング
- 気象センサーで気温、湿度、降水量などの気象データを収集し、農作物の成長環境を把握
上記のような、人力ではまかないきれない部分をテクノロジーでカバーする取り組みが広がっています。
ほかにも、制御システムが温室内の温度・湿度を管理し、作物の生育環境を最適化するなど、全自動化も進みます。
医療業界
医療業界では、IoTが様々な形で活用され、患者のケアや医療の効率向上に役立てられています。
- 患者のバイタルサインや機器の動作データをIoTデバイスを通じてリアルタイムでモニタリングし、医師が遠隔から患者の状態を把握
- 自宅でヘルスデータをモニタリングするIoTデバイスを利用し、医師とリアルタイムで情報を共有
- スマート薬箱は薬の摂取時刻をリマインドしてくれ、さらに医師や薬剤師が患者の薬物管理を遠隔でサポート
離れた患者を医師や看護師が効率的にケアできるのは、IoTの恩恵といえるでしょう。
物流業界
物流業界でもIoTが積極的に活用され、物流プロセスやリアルタイムの効率的な管理を実現しています。
- ドローンや自動化ロボットを使用して、倉庫内でのピッキングやパッケージの移動を効率的に行う
- IoTセンサーが温度や湿度を計測し、冷蔵物流の品質をチェック
- GPSやセンサーテクノロジーを搭載した車両トラッキングシステムで、車両の位置や移動状況をリアルタイムで把握
ロジスティクスの最適化は常に大きな課題ですが、IoTによって進歩がもたらされています。
【まとめ】IoTについて紹介しました
本記事では、IoTについて特徴やICTとの違い、IoTを活用した具体例などについて解説しました。IoTを導入すれば、デバイス同士が自動で連携し、人的コストを削減しながら業務効率を改善できます。導入を検討するのであれば、本記事の事例を参考にしてみてください。
なお、IoTの導入方法がわからない!という方はお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な企業を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
この記事を書いた人
Y.KURODA
専門分野: IT・取材
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元システムエンジニアとしての経験とSEOの知見を活かした記事を執筆しています。ライター業務を効率化するWebサービス『MOJI-KA』を開発・運用中です。